アイルランドのグランドスラムがかかったラグビー・シックス・ネーションズ(六か国対抗)の対イングランド戦が2日後に迫り、ワクワクそわそわ。→
祝・アイルランド!ラグビー6か国対抗優勝波予報もいいのでサーフィンもしたいし、試合も見たいし。昨日あたりからサーフ仲間の間で、干満が○○だから何時に入水すべし、いやいやそれではマッチ(試合)に間に合わない、じゃあ朝もっと早く出ようよ…などなど、メッセージが飛び交っています(笑)。
シックス・ネーションズは勝ち抜き戦ではなく総当たり戦で、グランドスラム(Grand Slam)というのは全勝優勝のこと。
1883年より(初めは4か国、1910年より5か国、2000年より6か国で)続く長い歴史の中で、グランドスラムが達成されたのは38回。最多はイングランドの13回で、アイルランドはたった2回しかその栄光を勝ち得ていないので、それだけに2009年に61年ぶりに達成した時の熱狂はすごいものでした。
(ちなみにウェールズ11回、フランス9回、スコットランド3回、イタリア0回)
当時を振り返ると、グランドスラムが決まったウェールズとの最終戦は、それはそれは波乱万丈で…。ああ、ローナン・オガラのドロップ・ゴールに狂喜し、パディー・ウォレスのペナルティーに寿命を縮めたアイルランド人がどれだけいたことか!(当時の試合を見ていたしかわからない話でスミマセン)
その頃のブログを見返すと、私も相当、熱狂していました!(笑)
→2009年2~3月のブログより
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6ネイションズ、アイルランド絶好調!(2月28日)
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グランドスラム達成まで…あと1週間!(3月14日)
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6ネイションズ、グランドスラム達成!(3月23日)
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ローナン・オガラの魅力(3月24日)
あれから9年。ブライアン・オドリスコル、ローナン・オガラ、ポール・オコンネル、ピーター・ストリンガー…といった当時のスター選手たちを懐かしんでいたところ、私の想いを知ってか、本日のアイリッシュ・タイムズにこんな記事が。
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Grand Slam winners 2009 - where are they now?(=2009年グランドスラムの勝者たちは今どこに?)

2009年の勝者たち。この写真はポスターでアイリッシュ・タイムズ紙の付録についてきたので、今も大切に持っています!(写真は上の記事より転載)
記事によると、輝かしい栄光を勝ち得たメンバーたちの多くは起業して会社オーナーになったり、企業のエクゼクティブやコンサルタントとしてビジネス界で活躍しているよう。
ローナン・オガラやポール・オコンネル、スティーブン・フィリスのようにスポーツの解説、コーチなどをしてラグビーに関わっている人も。
そのゴッツイ体形から「The Bull(雄牛)」のニックネームで知られたジョン・ヘイズは、今は農業を営んでいるそう!
そして驚いたことに、私が大好きだったスクラムハーフのピーター・ストリンガーは、40歳となった今も現役でプレイしていて、「15年前と変わらず絶好調!」と発言しているとか。
少年時代、なかなか背が伸びない彼に両親は身長を伸ばす手術を勧めるも、断固拒否。「僕はこのままでいいんだ!」とありのままを貫き、170㎝というラグビー選手としては超小柄な身体を武器にして代表選手として活躍しました。(彼のストーリーに興味のある方はこちら→
Peter Stringer: Does size matter? It certainly did to me)
小さなストリンガーは巨人のような選手の足首をつかみ、ぶんぶん振り回されながらもまるでスッポンのごとく放さなかったなあ…。永遠のラグビー少年のような出で立ちで、今や「スクラムハーフの職人」としてプレイを楽しんでいるよう。お見事です。
ちなみに2009年チームの中で、今年のシックス・ネーションズのメンバーに残っているのはロブ・カーニーとローリー・ベストの2人だけ。
ますます渋みを増したイケメンのカーニーは、今やベテラン選手としてチームを背負う存在。先週のスコットランドとの試合では「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれていましたね。
そして、当時はベンチだったローリーが今ではキャプテンというのも、世代交代を感じさせます。
本当はジェイミー・ヒースリップとトミー・ボウにもまだ残っていて欲しかったですね。2人とも怪我で泣かされ、先ごろ惜しまれながら引退表明しました。
ヒースリップは怪我がなければまだプレイできたでしょうし、トミーもここ数年あまり出場しないままに今シーズンで引退となってしまいました。オドリスコルがしたように、せめてもシックス・ネーションズという晴れ舞台で華々しく最後を飾らせてあげたかったです。
※トミー関連過去ブログ:
6ネイションズ2勝目…トミー・ボウの大活躍!(2010年2月27日)
トミーの引退表明の時に出された、活躍をまとめた映像がこちら。
小気味よいプレイはもちろん、さわやかな笑顔で女性ファンをとりこにしてくれました。彼の出現により、ラグビー女子が増えたことは間違いないでしょう!
Tommy Bowe tribute!←
Tommy Bowe To Retire At End Of Seasonより
さて、こうしたスターたちが去った今、3度目のグランドスラムを狙う新生アイリッシュ・チームですが、新旧交代がなかなかうまくいっていて期待できます。ベテランと若手が見事にブレンドした安定したチーム。
オドリスコルみたいな天性のスーパー・スター的存在はいませんし(彼みたいな人は何十年かに一度の逸材でしょう)、正直言ってビジュアルは過去に比べて地味ですが(髪が丸刈り・角刈り・薄めの選手が多いと思いませんか?女子としては見分けがつきにくくて…笑)、それぞれの持ち場で着実に仕事をこなす「職人」の集まり…みたいな感じ。
華やかさには少々欠けるけど、じわじわと「強い」チームになった気がします。誰かがひとり欠けても、ベンチも万全な様子ですし。
2013年頃に新しく就任したシュミット監督が相当な鬼監督らしく、鍛えて鍛えて鍛え上げて、必ず勝てるドリーム・チームをついに作り上げたのでしょうか。
ミーハーなファンとしては、やはりトライを決める人に注目がいってしまうもの。彗星のごとく現れた、若干21歳のジェイコブ・ストックデイル君から目が離せません!
解説者に「トライ・スコア・マシーン」と呼ばれていた彼は、本当に彗星のように思わぬところから走ってきてはボコボコ得点してしまうのです。すでにシックス・ネーションズ最多トライの記録を更新したとか。ストックデイル君、ただ者ではなさそう…。
まだあどけなさの残る21歳が得点して嬉しそうな顔をすると、この子が息子だったら誇らしさに胸がはちきれんばかりでしょう、などとすっかりお母さんの心境になってしまうのでした(笑)。
史上3度目のグランドスラム、このチームだったら出来る気がします…!
2009年のあの熱狂をもう一度。ああ、なんだか緊張してきた!(笑)
※日本では
WOWOWでライブ中継されます。
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コメント
dackey
このまま強いアイルランドを来年のW杯で見たいですね。私は横浜での「アイルランドvsスコットランド」のチケット抽選に申し込みます!当たるかなあ〜??
2018/03/16 URL 編集
naokoguide
ああ、本当にワクワクドキドキそわそわ、です(笑)。
実は今のアイリッシュ・チームがこんなに強いとは6ネーションズが始まるまで認識していませんでした。若手が急速に成長してますよね。
ストックデイルとかジェイムズ・ライアンは、前回のグランドスラム時はまだ12歳。ライアンはウェールズの球場でローナン・オガラのドロップ・ゴールを目の前で見たそうです!
→https://www.rte.ie/sport/rugby/2018/0315/947720-i-was-facing-rog-as-he-hit-it-ryan-inspired-by-09/
勝利の余韻がこうして受け継がれていくんですね。
こうなったら私も来年ジャパンで観戦したくなってきました!チケット申し込もうかな~って思い始めました!
2018/03/16 URL 編集
ようはっぱ
すーごーく、楽しみです〜。
イングランドも必死こいて戦うだろうから、アイルランドはどう攻防するでしょうか?
私も今からドキドキしてます。(*^^*)
ナオコさん、色々解説ありがとうございました。
新旧交代がうまく行ってるアイルランド、ええなあー。
2018/03/16 URL 編集
naokoguide
ついつい熱が入り、長々と書いてしまいましたが、お付き合いくださりありがとうございます!
そうですね、イングランドも必死…ですよね。昨年もアイルランドに負けちゃいましたものね、は、は、は。
大阪のバレード、いいお天気になるといいですね!
2018/03/16 URL 編集
dackey
イングランドは相変わらず強いだろうし、と思っていましたが、思わぬ展開になるものですね。10年ぶりに勝ったスコットランドにも拍手です。
若い選手たちは、往年のスター選手に憧れて練習を重ね、代表に選ばれて、やがて主力となっていくのでしょうね。本当に楽しみです。
2018/03/16 URL 編集
naokoguide
あの時から、若手だけでもかなり実力だったのかもしれません。
イングランドは今回、風向きが悪かったですね。明日はかなりの闘志を燃やしてくるでしょうから、それこそ火花が散るような試合になりそう…!
今、2009年のグランドスラムを決めたウェールズ戦を再び観て、気分を盛り上がています♪(もう何度も観ているのにまた見ちゃう・笑)
ほんと、明日楽しみですねー。
2018/03/16 URL 編集
Hongnao
明日は寒くなるようですが、パブ観戦することと致します!
ところで、ウォーレス氏はどうしていらっしゃるのでしょう?大人しそうな風貌が割と好きでした。
2018/03/16 URL 編集
naokoguide
スティーヴン・ジョーンズのキックが届かなったおかげで移民せずに済んだパディー(笑)の方はビジネス・コンサルタントという肩書きみたいですが、自閉症の子供たちやラグビー少年のための「パディー・ウォレス基金」を立ち上げているとあります。
みんなそれぞれ活躍しているようですね。
ロンドンでのパブ観戦、ラグビー・ファンが集まるパブだったらスゴイことになりそうですね!
2018/03/16 URL 編集