私の大好きなアイルランドのデザートに、「ブレッド・アンド・バター・プディング(Bread and Butter Pudding)」というものがあります。
バターをたっぷりぬったパンをかきまぜた卵と牛乳に浸し、砂糖やレーズンを加えてオーブンで焼いたもの。焼き立ての熱々にカスタード(またはクリーム)を添えていただきます。
材料はフレンチ・トーストとほぼ同じですが、食感がもっとソフト。もともと残り物の固くなったパンをおいしく食べるための工夫だったので、パンを浸す時間が長い。数時間、場合によってはひと晩浸しておき、滴るくらいヒタヒタになってからオープンに入れるのです。
ちょっぴり昔風のスイーツのせいか、街のおしゃれなレストランやカフェでは見かけず、ちょっと田舎のパブ・レストランとか伝統料理を売りにするお店の定番。
見つけると必ず注文してしまいますが外れも多く、甘すぎたり、ぐにょぐにょな食感だったり、がっかりさせられることも多々あるデザートです。
そんな自称「ブレッド・アンド・バター・プディングに少々うるさい」(笑)私がアイルランドいち、いや世界いちおいしいと思うものは、コークのイングリッシュ・マーケット内のファームゲート・カフェ(
Farmgate Cafe, English Market, Cork)にあります。
マーケットの新鮮な食材を活かした地元料理&スイーツで知られるカフェ&レストランですが、ここでは毎日、私が愛するB&BP(勝手に省略してみた・笑)を定番メニューとして出してくれているのです。

パンの程よい食感、アイリッシュ・バターの風味、カスタードの甘さ具合がパーフェクト。こんがり焼けたキツネ色とカスタードの卵色を見るだけで胸キュンですが、いざ食すると天にも昇る気分に!(2017年2月撮影)
バター、卵、牛乳…といった、どこの家庭のキッチンにもある食材で出来るシンプル一品。
基本の食材がとびっきりおいしいアイルランドだからこそ、なせる業なのかもしれません。
おととい
リピーターのお客様、Sさん&Aさんとご一緒にこのカフェに立ち寄った際、お2人にぜひ食べていただきたくて注文しました。
いつも通りおいしかったのですが、何かがちょっと違う…。Sさん&Aさんもおいしいとは言うものの、それほど感激していない様子。
一体何が違ったのか。ずっと考えてついに気づいた、私が思う「ブレッド・アンド・バター・プディングにしてはいけないこと」、それはカスタードのかけ方にあるのではないかと思います。

おとといいただいたB&BP。ひとつ上の写真と見比べてみてください、カスタードのかかり方に違いがみられませんか…?(ちなみに手前のスイセンはマーケットでお土産に買ったものが私のバッグからこぼれ出ている♪)
そう、カスタードをこんなふうに上からかけてはいけなかったのです。最初の写真のように、カスタードにパンを泳がせるのが正しい食べ方。
でないと、パンのキツネ色の香ばしいところが台無しになってしまい、ふんわりした食感がなくなってしまう。おとといのものは口当たりがべちゃっとしてしまったため、感激が薄れてしまったのでしょう。
これはサーブする人の認識と気遣いの差かと思いますが、次回からは注文する時に、「カスタードを上からかけないで!」とお願いしようと思います!
そんなこんなの、「ひとりブレッド・アンド・バター・プディング談義」でしたが、やっぱりファームゲートのものがいちばん!なことには変わりありませんので、お立ち寄りの際はぜひぜひ。

イングリッシュ・マーケット上階のカフェ・スペースにて。真向いにレストラン・スペースあり。ちなみにここのアイリッシュ・シチューも絶品です!
※自分で作ってみたい方は、ファームゲート秘伝のレシピがイングリッシュ・マーケットのHPに出ています(英語)→
Food & Recipes/Bread and Butter Pudding
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