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長い2日間…

おととい、スライゴでの休暇からの帰り道に一本の電話が入り、急遽、仕事でダンドーク(Dundalk, Co. Louth)へ。
この2日間、あまりに多くのことを目にして感じ、まるで1か月くらいの長い月日が過ぎたような気持ちです。

すでにテレビ、新聞各社の報道でご存知の方も多いことと思いますが、アイルランドに暮らす、なんの罪もない邦人の方の若い命が路上で奪われました。
現場で報道に当たる日本のメディアの方のご案内をさせていただきましたが、あまりのことに涙を押さえ切れませんでした。アイルランドに暮らす一日本人として、悔しくて、無念で、残されたご家族やご友人のことを思うと悲しみがとまりません。

このような痛ましい事件の報道については、いろいろな考えがあると思います。現場は辛い場面も多く、これをニュースで伝えることの意義はいったいどこにあるのか…と自問自答してしまったことも。
そんな時、ご一緒にお仕事させていただくテレビの方々の真摯な姿勢と周囲への配慮、さらには取材に協力してくださった地元警察やコミュニティーの人々の思いやりのある対応が、その答えをくれたように思います。

事件を無きことにしてしまうのではなく、アイルランドに夢を抱いてやってきた若い命がこの地にあったという証を残すこと。異国の地で学び働き、地域に溶け込み暮らしを営んでいた日本人がいたということを伝え、多くの人の記憶に残してあげること。
それがせめても私たちに出来ることであり、ご供養にもつながるのでは…と、そんな気持ちで仕事をさせていただきました。

被害者も加害者も外国人という事件。さまざまな波紋が広がっていますが、取材に同行させていただく中で私がいちばん辛く感じたのは、容疑者が訴追されて裁判所に入る場面を取材したとき。
群衆から怒号が飛び交い、容疑者に向けて宗教や人種を差別する言葉でも罵声が浴びせられました。殺人者への怒りを通りこして、外国人の犯罪という理由で宗教や人種が叫ばれる。事件の焦点はそこではなく、尊い命が奪われたということなのに。
人間の愚かさが露呈した場面を目の当たりにしたような気がして、悲しみが頂点に達し、仕事中なのにあふれるほど涙が出ました。

地元ダンドークの住民の皆さんは大変温かく、同じ日本人である私たちに多くの優しい言葉を声をかけてくださいました。これからも、地元に暮らし働き、貢献した日本人がいたことを、長い間覚えていてくださることでしょう。

以下の日程で、自治体主催の追悼集会などが予定されています。多くの人たちのお悔やみの気持ちが、少しでもご遺族の慰めになりますよう、心より願っています。

●キャンドル・ビジル
Candle Light Vigil in memory of Yosuke Sasaki
日時: 1月8日(月) 19:00~20:00
場所: Maid of Erin Statue, The Square, Dundalk, Co. Louth
※キャンドル持参

●弔問(開始より1週間、以下の場所に芳名禄が置かれます)
Town Hall, Dundalk, Co. Louth – 1月8日(月)10:30~ 
County Hall, Dundalk, Co. Louth – 1月8日(月)10:00~
Tholsel, Drogheda, Co. Louth – 1月8日(月)12:30~
Ardee Library, Ardee, Co. Louth – 1月9日(火)14:00~

詳しくはこちら→Dundalk to honour murdered Japanese man Yosuke Sasaki with candlelit vigil

コメント

日本から心合わせて祈ります

直子さん、情報ありがとうございます。
ずっと思っておりました。佐々木さんの魂、ご遺族、同僚の方々、ご友人…
直子さんのお働きから、多くの事が伝わり感謝いたします。
心合わせて 日本からもキャンドルを灯して祈ります。

Re: 日本から心合わせて祈ります

内田さま、コメントありがとうございます。
佐々木さんのご遺族のことを思うとやるせない気持ちです。
出来ることが何もなく悔しい気持ちですが、せめてもご一緒に祈りましょう。そう言ってくださり、ありがとうございます。

No title

こういうのも直子ちゃんの仕事なのね。。。

この事件、連日大きく取り上げられていて、こんな形でアイルランドという文字を新聞で見たくなかったな、と思いました。
でも、直子ちゃんのこのブログの記事、新聞では知り得ない真実が臨場感迫るものとして書かれていて、ある意味救われた気持ちになりました。
なんていうか、うまく言えないけど、もし遺族の方がこれを読んだら同じように感じてくださるんじゃないかな、と。

No title

事件を知ったとき、ナオコさんは何か
関わっているかもしれな とおもいましたが、
大変なことでしたね。ご家族の方々のお気持ちを
考えるとどれほどの疲労と苦悩を味わったかと
思います。こころからのお悔みを申し上げると
ともに、事件に遭われたご本人のスピリットが
一日も早く癒されますようお祈り申し上げます。

ナオコさんもどうぞたっぷりの睡眠をとり
十分に休息をとられますよう、お気を付け
くださいませ。

No title

追記です。
こうした出来事では、当事者とそのご家族だけ
でなく、関わったひとたちの多くがストレスを
多く受けます。時間が経ってから影響が出てくる
こともあります。そのようなときにはプロのかたにも
ヘルプを出したほうがいいと思います。
どうぞお気を付けください。

悲しい

直子さん、詳しく教えて下さりありがとうございます。
私も20代の息子が居るので、ご家族の心痛はいかばかりかと想像しております。
なんで?
でいっばいです。
裁判のことや、その後の経過なども教えて頂けるとありがたいです。
一人の日本の若者がアイルランドで亡くなったことを伝えていきたいです。
時差はありますが、今夜、キャンドルを灯してご冥福をお祈りしたいです。
ダントークの皆さんのお気持ちも嬉しいです。

コメントありがとうございます

Pearlさん
ありがとう。ご遺族の方のお気持ちを思うと胸が張り裂けそうで、何かお役に立てればと思うけれど、こんなことくらいしかできないのよね。

Fionaさん
お気遣いありがとうございます。そうですね、傷が多くの人に広がらないことを願っていますが、こうしてご一緒に痛みをシェアしてくださる方々がおられることが本当にありがたいです。

ようはっぱさん
甘い考えかもしれませんが、容疑者も若く、その人に親がいますから、それを思うと悲しみが2倍になります…。一緒に祈ってくださりありがとうございます。

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プロフィール

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培など。愛読書は『赤毛のアン』とW.B.イエーツ詩集♪

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