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水道料金がほんとに戻ってきた!

今年のクリスマスまでに水道料金が返金されると報じられていましたが、小切手が本当に手元に届き、びっくり。

waterchargerefund
「政府の決定により水道料金を返金します、云々…」の手紙、€199.78の小切手付き。写真左下のロゴの文字「UISCE」とはアイルランド語で「水」の意味

2014年に水道料金が導入されることになったものの、大規模なデモが幾度にもわたって起こるなど、国民の猛反対にさらされました。(2015年3月の過去ブログでちらっと触れています→日食、ラグビー、水道料金デモ・・・
それまでアイルランドでは、一般家庭からの水道料金の個別徴収はありませんでした。そういった国は今どきの先進国にはないらしく、EUの規則に反するとかで問題視され、2011年にアイルランドがEUから経済支援を受ける際、国民からの水道料金徴収が条件に加えられたんですね。

ところが、税金との二重徴収だ!との声があがり、政府が何度か改正案を出すものの、そのたびに反対デモが起こる。メーターも設置しかけたのですが、メーターのある家とない家では徴収する金額が異なり(メーターのない家は住んでいる人数により一律。メーターのある家の方が場合によっては3倍近い徴収額になり得る!)、不公平感&政府への不信感が募るばかり。

私はあまり深く考えず、銀行引き落としで真面目に支払いをしていたのですが、ある時、「国民の半数くらいしか払っていないらしいよ~」と聞き、え~、じゃあ私も支払いを止めようかな…と過去の明細を確認してみたら、5回目の支払い以降、すでに引き落としが止まってた!
気づけば、近所でさかんに行われていた水道メーター設置の工事もストップしていました。(時々、覆面の反対派が阻止していた!)
国民の猛反対により、政府が挫折…ってこと?(笑)

今年6月、ティーショック(アイルランド首相)が新しく変わり、クリスマスまでに支払った水道料金を全額返金します!と公言しました。手続きの必要はなし、住所が変更になった場合のみ水道局に知らせてください、とのこと。
ひとりひとりに小切手を郵送するなんて大変な手間でしょうから、そんなこと出来るの?って半信半疑だったので、自宅郵便受けに水道局からの封筒を見た時には正直、本当に驚きました。

返金額は5回の支払い全額。一人暮らしの私は約€200ですが、家族が多い場合、最高€325となるそうです。
11月20日から小切手送付が始まり、毎日45000枚の小切手が送付され続けているとか。我が家には先週、アイスランドに行っている間に届いていたので、かなり早い方です。
(参考→The cheque is in the post: Irish Water sending out refunds

返金総額1億7300万ユーロ、99万所帯に小切手が送付されます。クリスマスまでに間に合わず、届くのが年明けになる所帯もあるようです。
この臨時収入を思いがけないクリスマス・プレゼント♪…と喜んでよいのかどうか、ちょっと複雑。
こんなに大騒ぎして、まわり道して、結局なしになった水道料金。こんな国、ほかにあるかしら?(笑)


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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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