周遊ツアーのご案内に続き、今度は飲料メーカーの方々の企業・家庭訪問のコーディネート。
昨日は、カウンティー・カーロウ(Co. Carlow)に近年新しくオープンしたウォルシュ・ウィスキー蒸留所(
Walsh Whiskey Distillery, Co. Carlow)を訪ねました。

オープンして数年、最初のウィスキーが市場に出てからほんの1年という新しい蒸留所
アイルランドの「バーリー・バスケット(Barley Basket=籠いっぱいの大麦…といったニュアンス)」と呼ばれる大麦産地の中心に位置する蒸留所は、18世紀の貴族の館の敷地跡にあります。
歴史ある館は外観が修復され、ウィスキーづくりの伝統を物語るかのよう。

将来的には内部も修復し、ビジターセンター&カフェにしたいとのこと
蒸留所の見学ツアーは約1時間、€15~。もともと修道院で生まれたというアイリッシュ・ウィスキーの起源に始まり、アイルランドの主要河川のひとつであるバロウ川につながる地下水が源泉となっていること、グレイン・ウィスキー/シングル・モルト/ポット・スティルの違い、コラム式とポットスティル式の蒸留釜の違いなど、実際に稼働している工場内を見学しながら詳しく説明していただきました。

巨大なマッシュ・タン。ひきわりした大麦や麦芽をお湯と混ぜ合わせて、麦汁がつくられます
この蒸留所のすごいところは、すべて手作業であること。通常は自動で行われる上記のマッシングの行程も、職人さんが手動ハンドルで行うというからスゴイ。
昔ながらのウィスキーづくりにとことんこだわるやり方がかえって新鮮に感じられました。
見学後のお楽しみは、ここの看板ブランドである「アイリッシュマン・ファウンダーズ・リザーヴ(The Irishman Founder's Reserve)」の試飲。
アイリッシュマンは、シングル・モルトとシングル・ポット・スティルを混ぜ合わたというユニークなウィスキーで、ほかに類を見ないウォルシュのオリジナルです。

飲料メーカーの専門家である皆さんのために、非常に詳しい説明をしてくださったウッディさん
口当たりはピリリとスパイシー、喉ごしはまろやか、というなんともユニークな味わい。あまりのおいしさに、ひと口飲むだけ…と思って口をつけた私もついつい飲み干してしまいました(笑)。
蒸留所見学後、オーナーのウォルシュご夫妻の奥様ローズマリーのご実家を家庭訪問。手作りのケーキとお茶でおもてなしくださいました。

ニコラス・モスのポットが素敵。コーヒー・ケーキ、フルーツのパウンドケーキ、リンゴのタルトの3種ものケーキを焼いてもてなしてくださり、感激

大麦、麦芽の粒も見せてくださいました
カウンティー・カーロウはかつては砂糖大根の産地として知られるエリアでしたが、砂糖の精製工場がなくなり、多くの農家が打撃を受けました。ロースマリーのご実家もそのうちの一軒、砂糖大根から大麦に転向したそう。
連作すると土壌に悪影響がでるので、4年ほどしたら違う作物を作ることや、刈り入れが終わった畑にカブやマスタードを植えて自然に畑が耕されるようにしていることなど、さまざまなお話しを聞かせていただき勉強になりました。

刈り入れが終わった大麦畑で、ローズマリーとお父さんのジムさんのお話を聞く皆さん
秋晴れの空のもと、アイルランドの伝統と大地の恵み、地元の皆さんの温かいもてなしがとても嬉しく感じられた1日でした。
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