
ハーンが暮らした島根県松江市から贈られたハーンの肖像レリーフ
今回のイエーツ&小泉八雲の狂言ツアーでは、スライゴ公演の前にはイエーツのお墓参りをし、ウォーターフォード公演の前には近隣のトラモアにあるラフカディオ・ハーン庭園(
Lafcadio Hearn Gardens, Tramore, Co. Waterford)を訪ね、演者の皆さんにも作者ゆかりの地に親しんでいただきました。

トラモアの小さな町に入ってくると至るところにこのサインポストが見られるので、迷わず行けます

19世紀の屋敷トラモア・ハウスのガーデンが、この地ゆかりのラフカディオ・ハーン(
小泉八雲、1850‐1904)を記念する庭園としてよみがえり、2015年にオープンしました
海辺の小さな町トラモアは、ハーンが幼少期に育ての親である父方の大叔母サラ・ブレナン夫人に連れられて夏のホリデーにやって来た場所。ハーンはここで海に親しみ、泳ぎを覚え、生涯に渡り海を愛するようになりました。
9歳の時、軍医だった父に最後に会ったのもここトラモアの浜辺だったそうです。
思えば今から3年以上前、このブログにこんな記事を書いていました。→
トラモアに小泉八雲記念・日本庭園の計画(2014年3月30日記)
この記念庭園は、ハーンのご子孫の小泉凡・祥子ご夫妻のご尽力と、地元の人々のハーンへの尊敬の念と情熱により完成したと言ってよいでしょう。アイルランドと日本の架け橋の場として両国の首相からも期待されたプロジェクトだったよう。
今や日愛のVIPが両国友好のためにこぞって立ち寄る名所となり、6月に高円宮妃殿下が、そして昨日は
6月に新たに就任したレオ・バラッカー新首相もやって来たそうです。私たちが訪問したちょうど翌日、ニアミスでした!
単なる日本庭園というのではなく、ハーンの生涯と、彼の残した怪談や思想を表現した庭造りが興味深いです。
(写真の多くは2016年9月に訪れた時のもの。今回は庭園ツアーの通訳をさせていただいていたため写真を撮る暇がなかったので)

ハーンの生まれ故郷ギリシャの庭。オリーブの木はギリシャ神話のアテネ神を象徴、斜面の石は古代ギリシャの円形劇場を表しています

アイルランドからアメリカへ移民したハーン。アメリカの庭園にはハーンが暮らしたオハイオ州などの植物が植えられています

そして日本へ到着。妻セツさんとの写真が案内版に

日本庭園らしい橋。この近くには浦島太郎のお話しにちなむ、カメ石もあり
オープンから2年近く経ち、植えられた植物も順調に育ち、日愛の交流の場として多いに利用されているようです。ハーンが愛した海を眺める高台の広々した庭園で、子供たちに神話や伝説を語って聞かせるイベントなどもさかんに行われている様子。
今回の訪問では、記念庭園造園の発起人であるアグネスさんと、庭園のガイドのキースさんが代わるがわる案内しながら、ハーンが書き残した昔話を語って聞かせてくれました。
不老長寿の水を飲みずぎて赤ちゃんになってしまった妻の話や、「TSUNAMI(ツナミ)」という言葉が英語で最初に紹介されることになった話など。通訳しながらも、ふんふんと関心して聞き入ってしまいました。
そして、やっぱりここにもフェアリー・ドアが。

以前に来た時は1か所しかありませんでしたが、今回複数に増えていた!訪問者だけでなく、妖精の住人も増えているようです♪
ハーンが泳いだトラモアのビーチは私たちサーファーにはティー・ベイ(T-Bay)の名で知られるサーフィンのメッカのひとつ。何年か前までは毎年7月に自閉症の子供たちにサーフインを教えるボランティアをしていたので、私にとっても思い出多い地です。
(過去ブログ→
サーフ・キャンプのボランティア/
自閉症の子供のためのサーフ・キャンプ、サーフ・トゥー・ヒールを終えて/
今年もサーフ・トゥー・ヒール!(自閉症の子供たちのサーフ・キャンプ)/
T-Bayにて... The early bird catches the WAVE!)
今回、小泉さんご夫妻やイエーツ&ハーンの愛好家の皆さん、狂言の演者の皆さんとご一緒させていだき、ハーンのオープンマインドの精神が今の時代とても大切なこととしてクローズアップされていることを再認識させていただきました。
そして、日本とアイルランドが精神性の部分で共鳴し合える2国であり、今も昔も心のパートナーのような関係であったことをこの記念庭園であらためて感じたのでした。
ラフカディオ・ハーン庭園(
Lafcadio Hearn Gardens)
場所: Pond Road, Tramore, County Waterford
開園時間: 11:00~17:00 ※冬期の開園は事前に要確認 087 0960013
入場料:€5 子供・グループ割引きあり ※ガイド付きツアー1人€7.5(4名以上)
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