2週間程前だったでしょうか。ウェスト・コークに住む古い友人デミアンからふいに電話があり、久しぶりにダブリンで再会することになりました。
デミアンとマリーは、今から17年前、私がアイルランドに住みはじめた最初の年に知り合ったご夫婦。
当時私はダブリン近郊のカウンティー・キルデア(Co. Kildare)の全寮制の日本の高等学校に勤めていて、夏休みに受け持ちの生徒のひとりを、当時デミアンとマリーが営んでいた英語学校へ送ったのがきっかけでした。
2人はコートマクシャリー(Courtmacsherry, Co. Cork)という美しい入り江の村の自宅で学校を営んでいて、その環境のよさに魅かれて、私も行ってみることにしたのです。
コーク駅に列車で到着した私を迎えに来てくれたデミアンは、「アイルランド初のヒッピー!」を自称するクレージーなおじさんでした(笑)。クレージーな人とはもともと気が合うので、コートマクシャリーに着くまでの約2時間ほどのドライブ(本当には1時間くらいなのですが、デミアンがあちらこちら寄っていくのでずい分時間がかかった・笑)ですっかり意気投合。
そして、デミアンの妻のマリーが私にプライベートレッスンをしてくれる先生だったのですが、とても美しくて、落ち着いていて、その佇まいで周囲の人をみな安心させてしまうような静かなオーラの持ち主。デミアンが「動」なら、マリーが「静」…といったところでしょうか。
近くのお宅にホームステイしてマリーの英語レッスンを受け、デミアンや他の生徒たちと一緒にハイキングに行ったり、パブに行ったり、約1週間ほどだったでしょうか。とても楽しい滞在だったことを覚えています。
デミアンとマリーは1970年代に世界を放浪していた頃、日本に9か月滞在して、日本のビジネスマンに英語を教えていたという経験の持ち主。当時の住まいは目黒の「清和荘」という木造アパートで、そこの大家さんの男性がまるで「根付(ねつけ)」のようだった…という話などなど、思い出すだけで笑ってしまう珍エピソードの数々をたくさん聞かせてもらいました。
その後も連絡を取り合い、何度かお訪ねして、そのたびに楽しい時間を過ごさせてもらったものです。
毎年クリスマス・カードのやり取りはしていたものの、最後にコートマクシャリーへ2人を訪ねたのはいつのことやら。クリスマス・カードに、「ナオコ、まだアイルランドにいるの!?」と書かれ続けて10年以上経過していると思います(笑)。
久しぶりにデミアンから電話があり、日本に住んでいた頃のことを本にして出版したいので初稿を読んでみて欲しい、今度ダブリンに行くのでその時に感想を聞かせて欲しい、と言われ、早速200ページ近い原稿が送られてきて、ツアーと自分の本の校正の合い間に大急ぎで読み進め、本日の再会の運びとなったのでした。
デミアンはかつて新聞にコラムを連載していたこともあり、ウェスト・コークの自然ウォークのガイド本やエッセイなど、すでに数冊の本を出しています。→
Damien Enright今度出版予定の日本での体験を書いた本は、日本語での出版も考えているそう。英文の初稿を読ませていただいたところかなり面白いので、日本で出版の暁にはぜひ宣伝したい。
70年代にまだ日本で数少ない「ガイジン」だった2人の体験は貴重で、私たち世代にとってもなつかしい70年代の東京の風景を思い起こさせてくれる内容です。
初めて出会った時から17年の月日が流れていますからお互い年を取っているのですが、そんなことを全く感じさせないエイジレスなデミアンとマリー。
デミアンは少年のように目をキラキラさせて(この人の瞳の輝きは本当に子どものよう!)、マリーは美しく、昔から変わらぬオーラ。2人の住むまるで楽園のような美しいコートマクシャリーを、久しぶりに訪ねてみたくなりました。

明日から息子さん夫婦の住むバンクーバーへ出かけるという2人。再会を祝って3人で記念写真撮りました♪
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