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ウシを食べながら『ケルズの書』作成?

今日は語学研修にいたらした学生さんグループのご案内。
トリニティー・カレッジ(Trinity College, Dublin2)で教授のジョーさんにキャンパス・ツアーをご案内いただきました。

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雨交じりの寒い日でしたが、皆さん英語のガイディングに真剣に耳を傾けていました

普段自分がガイドする側なので、別の人のガイディングを聞くチャンスはあまりなく、時々こういう機会をいただくととてもよい勉強になります。同じインフォメーションでもこういう表現があったのか、と感心したり、すっかり知り尽くしている思っていた場所でも必ず新たな発見が。

ジョーさんの話で印象に残ったのは、『ケルズの書』がどのくらいかかって作成されたか、ということ。680ページもある『ケルズの書』が何年かかって書かれたか…という正確な記録はないので、筆跡とか、絵のタッチなどから書き手が何人くらいいたのか?などが推測基準になると、以前に専門家の方からうかがったことがあります。

ところが今日の話に出てきたのは、ウシを食べる速度が関係するということ。『ケルズの書』に使用されている紙は子牛の皮をなめして作られたベラム紙。食べた牛の皮をなめすわけですから、当時修道院にいったい何人いたのか、一頭の子牛をそうそう毎日食べられるものでもなく、ウシも生まれる頭数に限りがあるわけで…。
と考えていくと、何年、何十年もかけて作成されたのだろうなと推測されるわけです。
「あ~、顔料も準備出来ちゃったし、書く気満々なんだけど、子牛が生まれる春までまで待たなきゃな~」なんてこともあったのかも?(笑)
これまでその視点から考えてみたことがなかったので、とても面白いな~と気に入ってしまいました。

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今、『ケルズの書』はこのページが開かれています。4人の福音記者が描かれた、書を代表する美しいページです

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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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