
クリスマスの準備が整えられたアポロハウス(
本日付けirishtimes.comより抜粋)
先週よりダブリンでは、アポロハウス(Apollo House, Poolbeg Street, Dublin1)という市内の空家ビルが話題となっています。
先週の木曜日、歌手のグレン・ハンサード(Glen Hunsard)やデミアン・デンプシー(Damien Dempsey)ら著名人率いるボランティア・グループがこのビルを不法占拠(!)。街からホームレスをなくそう!、来たるクリスマスに向けて路上生活者に安らぎの場を与えよう!と声をあげ、‛HOME SWEET HOME’というキャンペーンを始めたのです。
アポロハウス前にて「この土地はみなのものだ」と熱唱するグレン。グレン・ハンサードは日本でも映画『ONCE ダブリンの街角で』でご存知の方も多いことでしょう(
12/21付けindependent.ieより抜粋)
アイルランドでは年々増え続けるホームレスが問題になっており、現在国内で6000人を超える人が家がない状態だそうです。
毎月70所帯が家を失っており、グレンいわく、ダブリン市街地だけでも260人が路上で寝泊まりしているのだとか。
実際にダブリンの市街地をを歩いていると路上で毛布にくるまっている人たちを見かけますし、家にも小銭や食べ物を求めてドアをたたく人がやって来ることもあります。
ホームレスが増え続ける一方、空家が増えているのも事実。家は存在しているのに、ホームレス(家無し)が増えてしまうという矛盾。
それは本末転倒でしょ、と国家資産管理機構(NAMA=National Asset Management Agency)所有の空家ビルに目を付けたグレンは、「このビルは国民の税金でまかなわれているのだから、国民のものだ」と主張したわけです。
その気概に市民が賛同。行政や管理側としては衛生面や保険など懸念事項もあるわけですが、昨日の裁判で、ひと晩40人までを条件に1月11日まではホームレスの人々の仮住まいとして良いとの正式な許可がおりました。
ダブリン市の調査が建物内に入り、住まいの様子にも満足したと報じられています。期間限定ではありますが、ひとまずクリスマスはこせることになりひと安心です。
判決後、グレンは「ここから対話が始まるのだ」と言っています。市民や行政が少しづつ動き出したことが重要。
世界情勢とか、経済のこととか、大きな問題もたくさんありますが、こういう草の根的な活動から自分が出来ることを何かやろうとするアイルランド人の姿勢にはいつも感心させられます。
HOME SWEET HOMEキャンペーンに賛同される方はこちらのページにて署名&募金ができます。➡
Home Sweet Home
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コメント
西澤ユキ子
長野県千曲市八幡2030番地
西澤ユキ子ともうします。アイルランドが好きで一度は訪れて見たいと思っています。来年6月後半に計画を立てました。ケルトの文化。アイルランドの植物園等これからいろいろお便りを送ります、アイルランドの事を教えてください。
2016/12/23 URL 編集
naokoguide
お問合せはこちらにメールいただけましたら助かります。
info@guidingireland.ie
どうぞよろしくお願いいたします。楽しいクリスマスをお過ごしくださいね。
2016/12/23 URL 編集