クリスマスまで残り1週間となり、イルミネーションで美しいダブリンの街も日増しににぎやかさを増しています。
私もこのところクリスマス・パーティーなど社交の機会の多い毎日です。
アイルランドではこの時期、街や家々を飾りつけるだけでなく、クリスマス・ソング専門のラジオ局(
Christmas FM)がオープンしたり、
クリスマス・イヴの夜にはサンタの進行具合などを伝えるサンタ・ニュースが報じられたリと、国をあげてクリスマス・ムードを盛り上げますが、今年はついに国会でサンタのことが話し合われたそうです!
昨日議会を通過したこの件について、アイルランド上空の通行許可が無事にサンタに与えらました、皆さんご安心を、サンタは今こちらに向かっています!…とさかんに報じられています(笑)。
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The Dáil discusses Santa! And gives him a travel permit (国会中継ビデオ含む)

「One red nose reindeer green lit by the Dáil(=アイルランド議会によりグリーンライト(進んで良し、の意味)が出された赤鼻のトナカイ)」というキャプションが可笑しい(上記リンクより抜粋)
これは、コーク出身の与党フィネゲールのジム・デイリー議員の提起によるもの。国会でのやり取りを非常に簡略に再現するとこんな感じでしょうか。
(完訳ではありません)
-デイリー議員:子供委員会の議長や多くの親御さん、お子さんより、心配して問い合わせを受けている件ですが、今年サンタクロースが我が国土を縦横断する許可を、アイルランド航空局法に基づき、正式に与える件についてご賛同いただけますでしょうか?
-議長:それは興味深い質問ですね、副総理、お答えください。
-フィッツジェラルド副総理:今年のクリスマスにおけるサンタクロースへの通行許可発行に問題は見られません、異議なし。議会場には笑いがおこり、なごやかな雰囲気(笑)。
しかし、実際のデイリー議員の提起は上記に再現した以上に多くの言葉が使われており、サンタにかこつけて、言葉遊びで政治批判・野党批判をしているようです。
サンタ通過を懸念する親や子供が「New Politics」(ニュー・ポリティックス=一般大衆の「草の根」的な意見を拾い上げる新政党のこと)に関心が高いとのフレーズをさりげなく挟み込んだり、野党がサンタの通過許可を認めない場合は国中の「小包の配達(パーシャル・デリバリー=parcel delivery)」に影響が出るとスピーチを締めくくっていますが、綴り違いの「分割納入=partial delivery」をかけていますね。
この直前に、「ウォーター・ダウン(Water down=効果を弱める、計画などを骨抜きにする)」というフレーズも使われていますので、どうやらこれは長引く水道料金問題への批判?
こういうブラック・ユーモアはアイルランド人は大好き&得意とするところ。それが国会で繰り広げられてしまうというのがいいですね。
サンタも無事に通行許可をもらい、北極からアイルランドに向けて最後の旅支度に追われていることでしょう(笑)。

友人とディナーに出かけた帰り道、スミスフィールド(Smithfield, Dublin7)のクリスマス・ツリーがきれいでした。白、青、赤、緑と4色に変わる
発光ダイオードを使用したエコ・フレンドリーなクリスマス・ツリー。もともとオコンネル通りに設置されたのですが、数年前にこちらに払い下げられました
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