約2か月の日本滞在を終えてダブリンに戻って来ると、嬉しいニュースが。
先日、ドナルド・トランプ米次期大統領が、アイルランド西海岸の自身が所有するゴルフ・リゾートに巨大な壁を建設しようとしているとお伝えしました。(詳しくは過去ブログ参照➡
アイルランドにトランプの「壁」が作られる!?)
その計画が、昨晩開かれた地元公聴会にて完全却下、正式に取り消されました!
この国の民意が正常なもので良かった。アイルランドには、トランプ氏の「壁」は作られません&作らせません!
そもそもこの計画は、自身のゴルフ・リゾートに隣接する海岸線2.8kmに沿って、高さ5メートルの岩の壁を建設するという途方もないもの。ゴルフ場を砂の浸食から守るためとのことですが、景観が台無しになるばかりか、環境破壊も甚だしく、地元住民やサーファー、環境保護の専門家から反対の声が上げられていました。
ビーチのエコシステム保全を目指す団体「Save the Waves」により署名運動も行われ、約10万件の反対署名が全世界から集められました。

5つ星ホテルが建つドゥーンベック・ビーチ。写真は
BREAKING NEWS: SAVE THE WAVES AND IRISH PARTNERS DEFEAT TRUMP’S IRISH WALLより
私も署名をしたひとり。トランプ氏が所有するドゥーンベック・ゴルフ・クラブ(Doonbeg Golf Club)があるビーチは、私たちも日常的にサーフィンをしに行く場所で、ゴルファーとサーファーが互いの信頼のもと、環境を分け合ってきたという歴史があります。
(ドゥーンベックの「サーファーの道」については前回のブログをご参照ください➡
アイルランドにトランプの「壁」が作られる!?)
当初トランプ氏は、「壁」の建設が却下されたらゴルフ場経営がから手を引くと公言していました。
代替として地元行政が許可したのは、金属のシートを埋め込むことで砂の浸食を防ぐというプラン。経営難に陥ったゴルフ・リゾートを購入・復活させてくれたトランプ氏に迎合することなく、理にかなった代替案で筋を通した行政側の判断は立派でした。
メキシコにしろ、アイルランドにしろ、トランプ氏の「壁」騒動は、世界が抱える問題の根源を表しているかのようで、ある意味象徴的。
小さなことかもしれませんが、こうやってひとつづつ、「壁」はなくしたり、阻止したりしていかなくてはなりませんね。国と国を隔てる壁も、人と自然を隔てる壁も。そして出来ることなら、人と人を隔てる見えない壁も。
世界で狂気の沙汰が次々繰り広げられる昨今、西の果ての小さな島では大事なことがきちんと守られている。そのことがとても嬉しく感じられたニュースでした。
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