
石は付着物で覆われているも、刻まれたオガム文字ははっきり見て取れます
ディングル・タウン(Dingle, Co. Kerry)近くにオガム石群があると知り、史跡好きのS様ご夫妻をご案内して、本日ディングル半島周遊の途中に立ち寄ってみました。
(オガム石についてはこちらの過去ブログ参照➡
ウェールズ「ケルト紀行」⑤ ラテン語並記のオガム文字)
ディングル・タウンよりスレー・ヘッド・ドライブ(Slea Head Drive)に沿って走ること約10分、バーンハム・ハウス(Burnham House)というイギリス時代の領主の館があります。
現在はクローシュテ・イーダ(
Colaiste Ide, Baile an Ghoilín, Dingle, Co, Kerry)というアイルランド語の全寮制女子中高等学校(国内で唯一残る全寮制女子校)ですが、そのドライブウェイに7体のオガム石群が並べられています。

ジョージ王朝スタイルの美しい屋敷バーンハム・ハウス

近隣で発見されたオガム石群。屋敷の持ち主であったベントリー卿(Lord of Ventry)が集めたもの
案内版の文字は消え、石はアルガ(菌類)など付着物に覆われ、近年あまり気を払われていないような様子でしたが、7体ずらりと並べられているのは壮観。
周辺のうっそうとした森の雰囲気に苔むした石が溶け込んでおり、きれいに手入れしてしまうより、むしろこの方が自然かも。呪いめいた石のパワーがケルトの時代そのままに宿り続けていそうな雰囲気で、周辺一帯にちょっと重たい空気感がありました。
このオガム石群の中で珍しいのは、横置きラウンド状の石。7体のうち2体がこれで、水の流れで形作られたボウルダー(巨礫=きょれき)に文字が刻まれています。

約2メートルの長さ。1790年に近隣で発見。真ん中から2つに割れてしまっています
通常オガムは下から上へ読みますが、横置きの場合はどちらから読むのでしょう。それともどうにかこうにかして、立ててあったのでしょうか…。
それぞれの石の出所や、刻まれている文字のアルファベット変換はこちらのサイトが参考になります。➡Megalithic Ireland -
Colaiste Ide Ogham Stones
石の後ろの平らになったところにお賽銭発見。お地蔵さんの感覚でしょうか
ディングル半島の史跡いろいろ、まだまだご紹介したい場所がありますので、時間を見て「ディングル史跡めぐり」④、⑤…と続けていきたいと思います♪
(ディングル史跡めぐり過去ブログ:関連過去ブログ:
ディングル遺跡めぐり① ビーハイヴ・ハット/
ディングル遺跡めぐり② キルマルケダー教会)
※クローシュテ・イーダへの行き方:ディングル・タウンよりスレー・ヘッド・ドライブへ(町の終わりのラウンドアバウトを左折、ディングル・ウィスキー工場のある方)。そのまま周遊路に沿って走ること約10分、皮バッグのホールデン(Holden)の看板を左折、数十メートル進むとクローシュテ・イーダの入り口にたどり着きます。
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