
ついに行けた!子供の頃からその絵で親しんでいたカール・ラーションの家「リッラ・ヒュットネース」
スウェーデン人画家、
カール・ラーション(Carl Larsson、1853 - 1919)の家を訪ねて、ファールン(Fauln)までやって来た私たち。
ファールンから路線バスに乗って、ラーションの家「リッラ・ヒュットネース」を訪ねました。

家の入り口にはラーション夫妻に家を譲り渡したラーションの義理の父Adolf Bergooの胸像

入り口から見えた「リッラ・ヒュットネース」。絵の中の家、そのまま
カール・ラーションと妻カーリンはフランスでの絵の修行中に出会い、スウェーデンに戻って来て結婚。1901年からこの家に住み、7人の子供たちを育てながら、家と家族を題材に数多くの絵を描きました。
現在ラーションの子孫が管理しているこの家と敷地には、ラーションが描いた景色がそのままに残されています。
開館時間より早めに着いた私たちは、まだ誰もいない敷地の中をしばし見て回りました。

「リッラ・ヒュットネース」の敷地に入って最初に見た花は、アイルランドでもよく見かけるヘアベル(Harebell=和名:イワシャジン)。ここダーラナ地方の花だそうです

家は湖に面しており、朝早いのにボートに乗って楽しむ家族連れの姿が

銅山のあるこの地方ならではの赤い色の壁。日本でいうところのベンガラ塗りですね、この染料で壁を塗ることで木造建築の腐食を防ぎます

ラーションの時代は井戸だった素敵な建物
徐々に人が集まり出して、家の見学ツアーが始まりました。私たちはこの日最初の11時からの英語ツアーを予約していたので、その時間まで納屋を改造したショップでラーション・グッズのお買い物。画集や絵葉書、カードなどなど、迷いに迷って厳選して買いました(笑)。

最近発売されたばかりの曽孫さんが書いた本。ラーション夫妻のライフスタイルを現代の暮らしに活かしましょう、というコンセプトで、絵の中に出てくるインテリアやフラワー・アレンジメントなどが解説された可愛らしい本。私も一冊買いました

大盛況の見学ツアー
家の内部は写真撮影禁止。説明を聞きながらゆっくり見られて、かえって良かったかもしれません。
ラーション夫妻は、それまで薄暗かったスウェーデンの田舎家に明るくカラフルな色彩を取り入れるということを初めて行った人たち。当時としてはかなりモダンなインテリアであり、ラーション夫妻が現在世界的に人気のあるスウェーデンのインテリアの火付け役であった…と言ってもいいと思います。
子供の頃ラーションの家を見ながら、私はそれがスウェーデンの伝統的な田舎家なのだと思っていたのですが、フランス帰りの夫妻のオリジナルだったのですね。
家の中には絵で見たままの光景が多くありました。日本の浮世絵や木版画に影響を受けていた夫妻のコレクションがあったり、ドイツから運んできたという立派な家具があったり、裕福な芸術家の暮らしぶりも見て取れました。ラーションのアトリエに、死の直前まで描いていた未完成の絵がキャンバスにそのままあったのも印象的でした。
やはり芸術家であった妻カーリンは、結婚後は絵は自分より才能のある夫のカールに任せて、インテリア・デザインや刺繍など家の中でその才能を発揮しました。ボヘミアンな夫妻のライフスタイルが家の中に凝縮されており、100年の月日を経た今も尚、人々の憧れとなっているのですね。
ヨーロッパ大陸帰りのラーション夫妻がスウェーデンで最初にこの家でピザを食べた…というエピソードも面白かったです(笑)。
家の見学を終えて表に出ると、朝とはうって変わってすごい人。

子供たちがたくさん出てくるラーションの絵のような光景

美しい木のドアの前で、双子ちゃんとお父さん
見学後はお隣りにあるカフェでティータイム。「リッラ・ヒュットネース」が一望できます。

ラーションの胸像と共に

ブュフェ形式の食事もありましたが、私たちはケーキ&コーヒーをいただきました
長い間憧れていたラーションの家をこの目で見ることが出来て感激したと同時に、スンボーン村の環境の良さ・美しさも印象に残りました。この後村でラーションの生涯展、ラーションが壁画を手がけた一家が眠る教会も見学。
後日また、ご紹介させていただくことにします。
★「リッラ・ヒュットネース」を訪れたい方へ、参考ウェブサイト。
カール・ラーションの家HP →
Carl Larsson-gårdenストックホルム~ファールンへの列車 予約 →
Trainline Europeファールン~スンボーンへのバス 時刻表 →
Rome to Rio
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