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2017年夏、ダブリンでフェルメール展が開かれます

ダブリンにあるアイルランド国立美術館(National Gallery of Ireland)は現在本館を修復中なのですが、来年2017年に再オープンするにあたり、とてもエキサイティングな特別展が予定されています。
2017年の夏の3か月間、フェルメールの特別展が行われると先日公示がありました。

フェルメールと同時代の巨匠たちの絵画展:刺激と競争
2017年6月17日~9月17日 アイルランド国立美術館
Vermeer and the Masters of Genre Painting: Inspiration and Rivalry
National Gallery of Ireland | 17 June – 17 September 2017


1650~1675年のフェルメールと、同時代のオランダ人画家(ヤン・ステーン、ガブリエル・メッツ、ヘラルド・テル・ボルフなど)の作品60点が全世界から集められ、ダブリンの国立美術館に一挙に展示されます。そのうちフェルメール作品が10点も。全世界に30数点しか現存していないフェルメール画の、なんと3分の1近くがダブリンに集まるのです!スゴイ。

ダブリン所蔵の『手紙を書く婦人と召使(Woman Writing a Letter with Her Maid c.1670)』を含め、『真珠の首飾りの女(Woman with a Pearl Necklace, 1663-4)』、『天秤を持つ女(Woman with a Balance, c.1663–4)』、『天文学者(The Astronomer, 1668)』、『地理学者(The Geographer, 1669)』などが展示予定リストに挙がっています。
10点が一挙に展示されるのは、過去に行われたフェルメール展で3番目に数が多いのだとか。来年の夏、フェルメールを見るためにダブリンに来ても価値がありますね。

vermeernationalgallery
フェルメール作品の秀作と言われる、『手紙を書く婦人と召使(Woman Writing a Letter with Her Maid c.1670)』。ガイディングの際、私はこの絵の前でかなり話します(笑)。2度の盗難にあったいわくつきの絵で、2度目の盗難は80年代にダブリンにいた大泥棒ザ・ジェネラルことマーティン・カヒルの仕業でした。この話は今度時間のある時にゆっくり…

フェルメールにはちょっとした思い出があります。
1996年、私が添乗員をしていた頃、オランダのハーグでフェルメール画が23点一挙に展示されるという奇跡の大フェルメール展があったんですね。春のベネルクス3国のツアーでハーグに居合わせた私は、ツアーの予定には入っていなかったものの、この展示を見逃すわけにはいかない!と、どうにかこうにか日程をやりくりして、お客様全員を引き連れて見学してしまったのでした(笑)。
一体どうやってチケットを取ったのでしょうね…。はっきりは覚えていないのですが、早朝から博物館に並んだような記憶が。
現地のガイドさんが素晴らしい方で、私が並んでいる間お客様のアテンドをしてくださるなど、とてもお世話になった記憶がありますが、ちゃんとお礼をしたのでしょうか。添乗員時代、各地でいろいろな方にお世話になったことが、今自分がお世話する側になりより思い出されてくるのですが、若かった私はバタバタしていてお礼もそこそこに失礼してばかりいたように思います。
フェルメールの『デルフトの眺望』が描かれたどんぴしゃりの場所へも連れて行っていただき、とても感激したものでした。

当時まだ20代で添乗員駆け出しの頃でしたから、フェルメールを23点も一挙に見るということのすごさを、私自身はあまりわかっていなかったかもしれません。
それでも、知識がないながらも見た絵の多くをいまだに覚えていますから、ものすごいインパクトだったのでしょう。ホンモンを見ることのすごさを、この時実感したように思います。

それから数年して、ニューヨークでたまたまフェルメール展に遭遇。ハーグほど大規模ではなかったものの、ハーグには出ていなかった数点がそこに出ていましたから、幸運にもおそらく30数点中の30点近いフェルメールを見ていると思います。

現在ダブリンで日々ガイディングさせていただいている『手紙を書く女性とメイド』は、調べてみると、ハーグの大フェルメール展に出ていました。のちのちこの絵のあるダブリンに住み、絵の前でガイディングすることになるとは当時は思いもよらなかったわけですが、今思えば、運命の伏線がすでにこの絵に張られていたのかも(笑)。

ちなみに来年のフェルメール展は、ダブリンだけでなく、パリのルーブル美術館(2017年2月20日~5月22日)、ワシントンのナショナル・ギャラリー・オブ・アート(2017年10月22日~2018年1月21日)でも開催されます。
展示に合わせて、アイルランド・フランス合作のフェルメールのドキュメンタリー映画も制作されるそうですから、それも楽しみですね。

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コメント

Yasuto Nozawa

米国で18点のフェルメールを見てきました
10月の終わりに、ワシントンD.C.のナショナルギャラリーで12点(特別展10点、常設展2点)、ニューヨークのメトロポリタン3点とフリックコレクション3点計18点のフェルメールを3日間で見てきました。ナショナルギャラリーは開館と同時に入りましたが、待っている人が20人くらいで近くでじっくり見れて良かったです。単眼鏡が役立ちました。

naokoguide

Re: 米国で18点のフェルメールを見てきました
パリ、ダブリンと旅したフェルメールの絵画、いよいよ最終のワシントンDCへたどり着いたんですね。
私もダブリンで数回にわたりじっくり鑑賞することが出来、本当に貴重な体験だったと思っています!
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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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