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神様へ捧げたボグ・バター

以前にご案内させていただいたお客様より、「アイルランドで2000年前の太古のバター発見!」というニュースを見ましたよ~とメールをいただきました。

調べてみると、カウンティー・ミース(Co. Meath)のエムラー湿原(Emlagh bog)という泥炭地で、今月初めに2000年ほど前の巨大なバターの塊が発見されたとか。泥炭掘りをしていたカウンティー・キャバン(Co. Cavan)出身のジャック・コンウェイさんが、チーズのような香りがする約10キロの塊を掘り上げたそうです。
2,000-year-old bog butter unearthed in Co Meath

こういう泥炭地で自然に保存されたバターを「ボグ・バター(=Bog Butter, Bogとは泥炭地のこと)」と呼び、過去にも多く発見されています。
泥炭地は低温、低酸素、強い酸性の環境が乳製品の保存に適しており、冷蔵技術のなかった時代のアイルランド、スコットランドでは、木の樽に入れたバターを泥炭地に埋め込んで管理するのが一般的でした。

bognutternationalmuseum
ダブリン国立博物館に展示されている、カウンティー・キルデア(Co. Kildare)で発見されたボグ・バター。2300~2400年前のもの

ただ今回の発見はちょっと違うようで、宗教的な儀式のいっかんとして泥炭地に埋めたものかも…と言われています。
今回のボグ・バターは12フィート(約3.6メートル)の深さから発見され、木の樽には入っていませんでした。のちに掘り上げることを考えて埋めたのではなく、当時は貴重品であったバターを神様へ供物として捧げたらしいのです。

発見されたエムラー湿原は、古代はアクセス不可能な未開の地で、古代アイルランドの3つの王国の間にある誰も所有しない無法地帯でした。開拓することのできない泥炭地は神秘的な場所とされていましたから、そこで何らかの儀式が行われた可能性もあり。
歴史的・考古学的に非常に興味深い発見だったようです。

博物館の専門家によると、このボグ・バター、論理上は今も食べられるそうです!でも、「食べない方がいいでしょう」と付け加えられていましたが(笑)。

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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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