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メイド・イン・アイルランドのターキッシュ・デライト

ベルファースト出身の『ナルニア国物語』の作者、C.S.ルイス(C.S. Lewis, 1989-1963)ゆかりの地をご案内するという楽しみな仕事をいただき、ここ数日、C.S.ルイスに関する資料をあらためて読み返したりしています。

お客様より物語に出てくるお菓子、ターキッシュ・デライト(Turkish Delight)を食べたい!とのご希望をいただき、どこで買えるかな?と調べていたら、Hadji Bey'sというメイド・イン・アイルランドのターキッシュ・デライトを発見。


レトロな箱のデザインは1960年代の当社の新聞広告のレプリカだそう。250グラム入りで9.99ユーロ。ピンクの箱はローズ、黄色い箱はローズ、オレンジ、レモン3種類のミックスです

ターキッシュ・デライト(「トルコ(人)の喜び」の意味)とはその名が示す通りトルコ発祥のお菓子。砂糖にコーンスターチなどのでんぷんを加えて作る、甘くてやわらかいお菓子で、「ロクム」とも呼ばれます。ちょっと日本の「ゆべし」に似た食感。

イギリス、アイルランドではポピュラーなお菓子ですが、毎日食べるものというより、ちょっと高級感・特別感のあるもの。「甘くてやわらかい」ものが好きな子供たちの好物でもあり、『ナルニア国物語』では、ペペンシー家の4人兄弟姉妹のひとりエドマンドが白い魔女に「ターキッシュ・デライトをたんまり食べさせてあげるからいらっしゃい~」とかなんとか言われて、ついて行ってしまうんですよね~。


1センチ四方位のゼリー状。私の故郷・長野県上田市の名物「みすず飴」にもちょっと似てるかも?(みずず飴の方が固めですが)

ちなみに、私が子供の頃に愛読していた瀬田貞二さんの訳では、「プリン」となっていました。日本人に馴染みのないお菓子なので、同じく「甘くてやわらかい」、日本の子供が好きな「プリン」にしたのでしょうね。

Heidi Bay'sは、1902年、アメリカ国籍のトルコ人移民Harutun Batmazianさんがコークで開催された万博で祖国トルコのお菓子を作って売ったのが始まり。ほどなくコーク市内に専門店をオープン、2代に渡って繁盛しましたが、1970年代に閉店。2010年に復刻版として再び日の目を見ることになり、現在はカウンティー・キルデアのニューブリッジ(newbridge, Co. Kildare)でハンドメイド&箱詰めされています。

アイルランド国内の高級食材店、及び、イギリスでも販売されているとのこと。(私はDonneybrook Fairで買いました)
お客様にひと箱、自家用にひと箱買ってきて、早速いただいてみました。口の中でとろりん~ととろけるような食感、緑茶でもコーヒーでも合いそう。でも、エドマンドが白い魔女の誘惑に負けた気持ちが分かるような、分からないような…そんなお菓子です(笑)。

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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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