セント・パトリックス・デーに続く週末が終わり、今度はイースターの大型連休。
イースターは月の満ち欠けにより毎年日が変わり、3月下旬から4月下旬のどこかの週末に当たります。エジプトのアレクサンドリア天文台で観測される「春分直後の満月の次の日曜日」をイースター・サンデーと定める決まりですが、今年は春分が終わってすぐ満月なので早い時期のイースターとなるのですね。
今年のイースターはアイルランドにとっては特別で、アイルランド独立戦争のきっかけとなった1916年イースター蜂起の100周年に当たります。いわば革命100年祭のような、記念の年。
1916年のイースターは4月下旬で、蜂起が起こったイースター・マンデーは4月24日でしたが、100周年の記念行事は今年のイースターである今週末に予定されています。3月27日(日)のイースター・サンデーには市内で全長4.5キロにわたる大掛かりなパレードが行われる予定。セント・パトリックス・デーのパレードが2キロですから、その倍以上の距離を行進することになります。
主に軍隊の行進と思われますが、イースター蜂起関係者の遺族・親族が世界中から招待され、観覧席6000席中5000席が親族で埋められる予定とか。

イースター蜂起の火ぶたが切られたGPOでコスチュームをつけてイベント参加中の小学生(Irish Timesより-
Rising centenary events will be largest in State’s history)
思えば今から10年前、イースター蜂起90周年のパレードが行われた際に、その様子をブログでご紹介しました。→
1916イースター蜂起90周年記念パレード(2006年)/
イースター蜂起の記念式典(2007年)北アイルランド問題など政治的事情により、こういった式典を自粛していたのが、10年前の90周年から再開されたんですね。個人的にはあれから10年、今も同じフォーマットでブログを書き続けていることの方が感慨深いですが(笑)。
このイースター蜂起100周年に関しては、ずっとブログでご紹介しようと書こうと思いつつ、内容が大きすぎて書ききれないでいるうちに日が近づいてしまいました。
蜂起の際、GPO前でアイルランド義勇軍により読み上げられた有名な「共和国宣言」があり、トリニティーカレッジのオールド・ライブラリーにオリジナルの一枚が展示されています。狭い場所で混み合っていることが多く、グループ・ツアーの場合は時間も限られているので素通りせざるを得ないことがほとんどですが、今年は100周年なので出来るだけご案内するよう心がけています。
この「共和国宣言」ですが、100周年に当たり、トリニティー・カレッジがさまざまな言語に翻訳しました。オリジナルと日本語版をアイルランド大使館さんがHPに掲載してくださっていますので、ご興味のある方はぜひ読んでみてください。自由と権利を切望する切羽詰まった想いや憤り、命に代えても死守すべき民族の誇りがにじみ出た革命の時代らしい文面で、悲しくも力強い宣言書です。
→
The 1916 Proclamation in Japanese(「1916年共和国宣言書」の日本語版)
今週末ダブリンにいる方は、ぜひ街に出て、日曜日のパレードをご覧になられるといいと思います。
※イースター蜂起100年記念のイベント・リストは
こちら(英語)
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