
友人に誘われて、今年引退した北アイルランド出身のジョッキー、
A.P.マッコイ(=トニー・マッコイ)(A.P. or Tony McCoy)のドキュメンタリー映画「
Being AP」を見てきました。
17歳でジョッキーとなり、今年4月に40歳で引退するまで、約20年間チャンピオン・ジョッキーの座に君臨してきたA.P.マッコイ騎手。
競馬というと日本では平地がメインですが、英国・アイルランドでは障害も同じくらい人気があり、チェルトナム、グランドナショナルなどよく耳にするレースはいずれも障害です。
マッコイ騎手はその障害レースの騎手として史上最高とたたえられ、数々の記録や栄光を打ち立ててきた競馬界のスーパーヒーローだった人物。
映画は、マッコイ騎手の引退までの日々を追ったドキュメンタリー。華やかなレースの様子とは裏腹に、ストイックなまでに競馬に人生をかける姿が彼自身の語りを交えて描かれています。
ケガとの闘いながらもまるで中毒のようにレースに挑み続けるマッコイ騎手の姿、見守り支えるシャネル夫人、引退を決意していく心情。レースの裏舞台での心の葛藤が印象に残りました。
(スター騎手の豪邸、シャネル夫人の競馬場でのファッションも…!)
どんなスポーツ選手もそうなのでしょうが、騎手の毎日は完全なルーティン。同じ時間に起床し、朝食は食べず、体重を増やさないための1時間の入浴から始まる毎日が20年間続いたと言います。
ひとつのことを成し遂げるために、自分の体と意思を完全にコントロールする人生。はたで見守りサポートする家族はさぞかし大変なことでしょう。シャネル夫人の「夫は私をもコントロールした」との独白には、成功を裏で支えるパートナーの苦悩が見て取れました。
映画に続き、マッコイ騎手へのインタビュー映像も。(英国のどこかの劇場からのライブだったようです)
マッコイ騎手は10歳でジョッキーになることを志したそうですが、スポーツなどで成功する人の多くが人生のごく早い段階で意思を固め、夢を叶えているのは興味深いことです。
レース引退後も外乗を楽しんでいるとのことですが、ライフスタイルの変化によりすでに10キロ以上も体重が増えたそうです。マッコイ騎手はジョッキーとしては178センチと長身なため(身長が伸びすぎたため障害レースに転向したそう)、その分かなりの体重制限をしていたと聞きます。178センチの人の体重は通常75キロ位になるそうですが、現役時代のマッコイ騎手は63.5キロ。
それだけ聞いてもストイック。凡人にはまねできません…。
ちなみにこの映画、昨晩がプレミアでした。月曜日の夕方にもかかわらず、競馬ファン、A.P.マッコイ・ファンらしき男性客でシアターはほぼ満席。
明日以降の上映予定が見当たらないので、もしかしたら昨晩1回のみの上映だったのかもしれません。見ておいて良かったです。
※マッコイ騎手引退の日本での報道:
トニー・マッコイ騎手の引退表明、競馬界に衝撃を与える(2015年2月12日)、
トニー・マッコイ騎手の現役最終日(2015年5月20日)
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