
白いクリームからゴールデンイエローのバターになっていくところ…!
先日のバター視察旅行の際(←
酪農天国アイルランドの農家見学 ①/
酪農天国アイルランドの農家見学 ②)、実際にバターを製造販売しているファームへもおじゃまし、バターの製造過程を見せていただきました。
おじゃましたのはウェストコークにあるグレニリン・ファーム(
Glenilin Farm, Drimoleague, Co. Cork)。家族経営の農場から発展した小規模の製造者ですが、ここのバターやクリームは2011年、英国エリザベス2世女王のダブリン訪問の際の晩餐会に出されたデザートに使用されたことでも知られています。
ここの
ヨーグルトがとてもおいしくて、以前にブログで紹介させていただいたことがあります。あまりヨーグルト好きではない私を開眼させた(笑)グルニリン・ヨーグルト。ブログで紹介した頃は高級食材を置いているような特別なお店にしかなかったのですが、あれから4年、今や大手スーパーマーケットなどでも頻繁に売られる、国内を代表するヨーグルトのメーカーとして知名度をあげておられるようです。
なにせヨーグルトがメインなので、バターの製造は少量ですが、こだわりのファームハウス(手作り)・バターを作っているということで、今回その製造過程を見せていただきました。

農場に隣接する工場の前で迎えてくださったオーナーのアランさん
バターの視察ではありますが、私の大好きなヨーグルトの製造元とあってテンション高め(笑)。
工場に一歩入ると、そこにはグレニリン・ヨーグルトがいっぱいでした。

容器に詰められたヨーグルトがぐるぐる流れています

小さなガラス瓶入りも人気。私もこのガラス瓶をとっておいて、小物を入れたり、野の花を挿したりしています♪
ひと通り工場内を見せていただいた後、いよいよバター作り。
牛乳から分離させたクリームを攪拌機にかけてバターにするのですが、これが時間がかかる。徐々に色や様子が変わっていく様子を、攪拌機のかたわらで見せていただきました。

攪拌機が回って間もない頃。まだまだ白いクリーム状です

徐々に黄色みを増してきます

だんだんとそぼろ状になっていき、バターミルクと分離し始めます

攪拌機を回すこと約90分、ゴールデンイエローのスクランブルエッグのような状態に。ここでバターミルクを絞り出します(冒頭写真はこの状態)

完全にバターミルクを絞り出したら、2度水洗いして、塩を加えて混ぜて出来上がり。これが完成した出来たてほやほやのバターです
…と書くと簡単そうですが、実際には温度調整とか、攪拌機の止め頃とか、科学的な知識かつ微妙なコツが必要で、さらに重労働。バター作りは乳牛が青草を食べてどんどんミルクを出す夏に行うのがよく、今の時期はそろそろエサが乾燥牧草に切り替わるので、クリームが固めになり、バターも固くなりがちだそうです。
そのため、この日は塩を入れて混ぜるときにバターが固くて攪拌機がうまく回らず、バターを半量づつに分けて行わなくてはなりませんでした。
時間も手間もかかる…。バターの国とも言えるアイルランドですが、大手メーカーが主流になるのがうなずけます。こんな苦労があって作られるファームハウス・バターはそれこそ貴重品ですね。

小売り用グレニリンファーム印のカントリー・バター
グレニリン・ファームのバターは大手スーパーマーケットや高級食材店で小売りされている他、ダブリンやコークの有名レストランのシェフに好まれ、高級料理の食材として使われています。
バター作り見学の後、グレニリン・ファームのバターを使用しているレストランへ試食に行ったのですが、その様子はのちほどアップしますね。
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