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ルビーとモリーと過ごしたイエーツ・デー(イエーツ生誕150周年)

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W.B. Yeatsの2人の妹、リリーとロリー(Lily & Lolly)の肖像画の前で。友人のアーティスト、エマの作品

アイルランドの国民的詩人、ノーベル文学賞の受賞者W.B.イエーツ(William Butler Yeats, 1865 - 1939)の生誕150周年となる今年。
昨日6月13日、ついにイエーツの150回目の誕生日「イエーツ・デー」当日を迎え、今週末は世界各地でさまざまなイベントや式典が行われたようです。
イエーツゆかりの地スライゴ(Sligo)ではコンサート、観劇、詩のコンテスト、アートやクラフトのワークショップなど数えきれないほどのイベントが行われており、私もスライゴ・ガールズの双子ルビーとモリーと一緒に町へ出かけ、イエーツ・デーを楽しんできました。

学校でもイエーツの話がたくさんされているようで、7歳ながらイエーツ通のルビーとモリー。朝からすっかり祝W.B.イエーツ!ムードで、「ハッピーバースデー、ウィリアム~」と朝食のリンゴ・ジュースで乾杯していました(笑)。

今日はイエーツにちなんだことをしましょう、ということで、まずは詩人のイエーツの弟であるジャック・B・イエーツ(Jack B Yeats)の絵画を数多く展示しているスライゴのアートセンター、モデル(The Model, The Mall, Sligo)で絵画鑑賞。

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3点ともジャック・Bの作品。ルビーのお気に入りは指さしている道化師の絵

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展示室で目録を眺めるモリー。どこかのお屋敷の壁に無造作に並べたような、この展示の仕方そのものがアート!ちなみに、ここに展示されている絵画(Niland Collection)はすべて、オンラインで解説付きで見ることが出来ます→Niland Collection: Browse the Collection

モデルを出て、街中にあるイエーツ像へ。ルビー曰く昨年のイエーツ・デーはイエーツ像に服を着せて、飾りつけしていたそうです。
生誕150周年の今年は…というと、オカルト好きだったイエーツにちなんで、こんなことになっていました。

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暗室に入れられてしまったイエーツ像。ルビーとモリーは中に入ったものの、怖くなってすぐに出てしまいました

その後、メイン・ストリートのオコンネル通りでカップケーキが無料で配られているとの噂を聞きつけたルビーとモリー。
早速オコンネル通りへ向かうも、途中で知り合いや学校の友達などにじゃんじゃん会って、その度に立ち話をするのでなかなか進みません。
なんだか嫌な予感…がしながら、やっとカップケーキのスタンドを探し当てて行ってみると、650個あったという無料カップケーキはすでになくなっていました。が~ん…

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オコンネル通りにはイエーツ・ロボットが登場。こういうの、子供は怖いみたいで、ルビーとモリーはロボットがこちらを向くだけで逃げていました(笑)

この後、近くのイエーツ記念館(Yeats Memorial Building, Hyde Bridge, Sligo)へ。

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ここがイエーツ協会(Yeats Sociaty)の本部で、イエーツの資料展示に加えて、弟ジャック・Bのイラスト画、妹リリー&ロリーの刺繍作品なども展示されています。郵便受けにさしたデイジーの花が可愛い

建物内に併設されているカフェは、イエーツの2人の妹にちなみ、その名もLily's & Lolly's Cafe
ここでひと休み、ルビーとモリーは大好きなアップルパイを食べ、カップケーキのショックから立ち直ったようでした。

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カップケーキじゃないといや~と言っていたルビーですが、モリーがアップルパイを注文したのを見て、そうだこういう食べ物もあったんだ、とばかりにコピー。好きなものを食べるときは真剣かつ静かな2人です

この後、上階のハイドブリッジ・ギャラリー(Hyde Bridge Gallery)へ。ルビーとモリーのマミー、ローナの作品を含む、地元のアーティストたちの展示を見に行きました。
冒頭写真のエマが描いたリリー&ロリーの肖像画ですが、ルビーとモリーはこの2人も双子だと思っていたようです。イエーツ通の2人の言うことなのでもしかしてそうなのかな…と一瞬思ったのですが、もう一度調べてみると、やはり2歳違いの姉妹でした。
(関連過去ブログ:友人エマの絵画展(ハイドブリッジ・ギャラリーにて)

一家の男性がみな芸術家(父は画家、兄は詩人と画家)でお金儲けに無頓着、苦労する母親を見て育ったリリーとロリー(本当の名はElizabethとSusan Mary)は、若い時から働いて一家を支える良い妹たちでした。2人とも生涯独身で一緒に住み、一緒に刺繍の仕事や出版の仕事をするのですが、実はとても仲が悪かったそうです!
ルビーとモリーは双子と言えど顔形も性格も得意なことも全く違いますが、幸いにもとても仲良し、よかったね~という話をして嬉しくてにっこりしているのが冒頭の写真です。

このあとオコンネル通りでイエーツ150歳の巨大バースデー・ケーキが登場するとのことでしたが、それまで待てずに帰宅。
夜は二人のリクエストでダンプリングを一緒に作り(餃子です。土曜日に私がいるときはダンプリング・デーなのだそうです・笑)、熱々の餃子を食べながら、街で配布されていたイエーツの詩が8篇書かれている小冊子からお気に入りの詩を一遍ずつ暗唱し合って、イエーツ・デーの締めくくりをしました。

ルビーが読んだ詩はこちら。

THE CAT AND THE MOON  by: W. B. Yeats (1865-1939)
THE cat went here and there
And the moon spun round like a top,
And the nearest kin of the moon,
The creeping cat, looked up.

…続きはこちら

そして、モリーが読んだ詩はこちら。(ちなみにモリーは数か月前、地域の詩の朗読コンテストで優勝。一家の吟遊詩人・笑)

THE SONG OF WANDERING AENGUS by: W.B. Yeats
I WENT out to the hazel wood,
Because a fire was in my head,
And cut and peeled a hazel wand,
And hooked a berry to a thread;

…続きはこちら

どちらの詩も声に出して読むとリズムが心地よく、意味を考える以前に語感で入ってくるような詩。
イエーツ生誕150周年記念に、よろしかったらぜひ音読してみてください!

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ハイドギャラリー最上階では地元小学生の作品展が行われていました。折り鶴がお気にりのルビー

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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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