There are no strangers here; Only friends you haven't yet met.(=ここには他人はいない。まだ出会っていない友がいるだけだ)
-W.B.イエーツ
先週アイルランド西部を訪問されたチャールズ皇太子が、スピーチの中で引用したW.B.イエーツの言葉です。
日本語のことわざ風に、「まだ見ぬ人はこれから出会う新しい友」とでも訳しましょうか。
和やかでとても心温まるものとなった
チャールズ皇太子とカミラ夫人のアイルランドご訪問ですが、スライゴでのシビル・レセプション(市民主催の歓迎会)での皇太子のスピーチはイエーツの言葉で始まり(上記の一節をアイルランド語で!)、イエーツの言葉で締めくくられました。
(ご興味のある方、全スピーチはこちらでご覧いただけます。→
Prince Charles' speech at the Model Arts Centre, Sligo)
イエーツ生誕150周年の記念すべき年にイエーツゆかりの地スライゴを訪れ、お墓参りもされたチャールズ皇太子。
かつての支配国・被支配国としての軋轢を抱えてきた英国とアイルランドは、隣国とはいえ、長い間お互い知らぬ者同士でした。
「これから会う新しい友」として友好関係を築いていきたい、というチャールズ皇太子の二国間の平和を願う真摯な態度が北アイルランド紛争の犠牲者を含む多くの人々の胸を打ちました。

1979年、北アイルランド紛争のさなかに暗殺されたチャールズ皇太子の大叔父のマウントバッテン卿。その暗殺現場であるマラクモア(Mullaghmor, Co. Sligo)の波止場を訪れたチャールズ皇太子は犠牲者の親族とプライベートに面会し、心の傷を慰めあったとのことです。個人的には、そういうことが出来る時代が来たことに感無量(写真はこちらの記事より→
Royal visit: Change of mood as feted couple retrace historic steps)
国民投票による同性結婚の合法化といい、新時代を象徴するようなニュースが重なった先週のアイルランド。平和や平等・人権が何にも先んじて論じられる、新しい時代が少しずつ始まろうとしています。
西の果ての小さな国で起こっていることが、少しでも世界の紛争地域を変えていくきっかけになれば・・・と願ってやみません。
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