
信州名物のリンゴたっぷりのタルト。ジョン・レノンが作り方を教えたというロイヤルミルクティーと一緒にいただきました。万平ホテルのカフェにて
日本での滞在を終え、ダブリンに戻りました。予定を合わせてくれた母と姉のおかげで、短い滞在ながらも家族であちらこちらへ出かけ、とても楽しい1週間でした。
滞在中、久しぶりに軽井沢へ出かけ、創業120年の老舗、
万平ホテルに宿泊しました。
実家から車で小一時間の距離にある軽井沢。子供の頃から家族でよく出かけた場所ですが、旧軽銀座までは行っても万平ホテルへは行ったことがなかったのです。

1896年創業の万平ホテル。昭和初期に完成した本館の建物は、改築することなく変わらぬ姿をとどめています

西洋風のクラッシックな内装。当時はさぞかしモダンに感じられたことでしょう

ステンドグラスも当時のまま。かやぶき屋根やお籠を運ぶ人などレトロなモチーフ
大正から昭和にかけての軽井沢は、堀辰夫や芥川龍之介などさまざまな文人が集った場所としても知られていますが、この万平ホテルでも文学談義が交わされたようです。
芥川龍之介の憧れの人であり、松村みね子のペンネームでアイルランド文学を翻訳した歌人の片山廣子がその仲間に入ることもあったようですね。
(関連過去ブログ:
山梨県立文学館の「村岡花子展」へ(「花子とアン」のこと、片山廣子のこと/
片山廣子『燈火節』を読んで/
アイルランド文学の翻訳者・片山廣子を偲ぶ)
数々の著名人を迎えた万平ホテルですが、中でももっとも有名なのはなんといってもジョン・レノンですね。
1977年からの3年間、妻のオノ・ヨーコと子供を連れて毎年軽井沢で夏の休暇を過ごしたジョン・レノンは、この万平ホテルを定宿としていました。
その頃のジョンは、音楽活動を離れ、「ハウス・ハズバンド」を自称して妻のヨーコと幸せな日々を送っていました。ヨーコとの間にショーンが生まれたのもこの頃。「ショーン」はジョンのアイルランド語名、先祖のルーツがアイルランドにあるジョンのこだわりが感じられます。
ジョン・レノン一家が泊まったのが128号室だったことはあとで知りました。私たちが泊まった124号室の、2部屋隣りだったようです。私たちの部屋のレイアウトや眺めも、おそらくジョンの部屋と同じでしょう。

障子とベッドのある、和洋折衷の客室

お風呂はやっぱり猫足!
館内にある展示室には、万平ホテルを訪れていたジョンと家族の写真や、ジョンがその音色に惚れ込み、お金はいくらでも出すからゆずって欲しい!とホテルに懇願したというヤマハのピアノがありました。

でも、ホテルは譲らなかったそうです。ちょっとだけ・・・鍵盤をたたいてみました♪
最近ではスタジオジブリの映画「風立ちぬ」で、このホテルが舞台となっているそうですね。原作でも出てきたでしょうか、読んだのがずいぶん前ですので覚えていないのですが。
堀辰夫からジョン・レノンまで、時代を彩ったさまざまな人が謳歌したホテル、一見の価値ありでした。

素敵なダイニングでディナー。これぞ日本の洋食!といった感じの、万人の口に合うやさしいお味でした。きれいなメニューの柄も昔から変わらないそうです
- 関連記事
-
コメント