
国会議事堂見学。国章のアイリッシュ・ハープ印のガラス扉の中で待機中・・・
今週ご案内しているグループさんは、ダブリン6連泊という珍しい旅程のツアー。通常のダブリン市内観光では行くことの少ない場所へもご案内させていただくことが出来、私も楽しませていただいています。
今日はアイルランドの国会議事堂、レンスターハウス(
Leinster House, Dublin2)の見学をご案内させていただきました。17世紀半ばにキルデア伯爵ジェイムズ・フィッツジェラルド(James Fitzgerald)の屋敷として建てられた、ダブリンのジョージ王朝期を代表する建造物です。
(当初はキルデア・ハウスと呼ばれていましたが、キルデア伯爵がのちにレンスター公爵となったため、レンスター・ハウスと呼ばれるようになりました)
キルデア伯爵が屋敷を立てた頃、周りは何もない原っぱだったそうです。何故あのような場所に屋敷を・・・という人々の問いに自信満々のキルデア伯爵は、「私が向かうところが最新流行となるのだ!(Fashion would follow in whatever direction he led.)」と答え、実際にその通りになりました。
17世紀後半になるとレンスター・ハウス周辺のキルデア通り、メリオン・スクエアに貴族たちが続々と移ってきて、ロンドンに次ぐ第2の都市としてダブリンは繁栄したのでした。
リチャード・キャッスル(Richard Castle)という当時を代表するドイツ人の建築家のデザインで、アメリカのホワイトハウスのモデルとなった・・・とも言われるほど、当時の典型的な最新流行の建築だったのですね。
(ホワイトハウスは1792年、アイルランド人のリチャード・ホーバン(James Hoban)により設計されました)
19世紀にはロイヤル・ダブリン・ソサエティー所有の劇場として使用され、現在議事堂として使用されている部屋は、アイルランドで最初に映画上映を行った部屋だそうです。
1922年のアイルランド独立に向けて、国会議事堂をどこに定めようか・・・と下見が行われ、3箇所の候補の中から選ばれたのがレンスター・ハウス。
下院・上院両議事堂を含め、歴代ティーショック(アイルランド首相)の肖像画、J.K.ケネディーがアメリカから持ってきたフランシス・マー(アメリカ独立戦争で活躍し、モンタナ州知事となったアイルランド人)のバナーなどなど、とても興味深い見学でした。
以前に見学した時は個人で行ったので、英語の説明をその場で聞いてそのまま忘れてしまっていましたが、今日はお客様に日本語で訳してご説明させていただかないとならなかったため、説明がしっかり頭に残り、より楽しかったです(笑)。
レンスターハウスはパブリック・ツアーで見学可能です。(先着30名まで。事前予約も受け付けています)月~金の10時半、11時半、14時半、15時半の4回、国会開催中の見学は夜となります。
(詳しくはこちら→
Visiting Leinster House)
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