
ホッピングが行われる釜にて。釜に書かれているように、「スミディックス独特の香りと味」はホップが決め手!
日本のビール会社関連のお客様をご案内して、この夏キルケニー(Kilkenny, Co. Kilkenny)に新しくオープンしたスミディックス醸造所内の展示館、スミディックス・エクスペリエンス(
Smithwick's Experience Kilkenny)へ行ってきました。
アイルランドと言えばギネスが有名ですが、実はスミディックスはギネスより創業が半世紀早く、現存するアイルランド最古のビール製造会社です。
ギネスは黒い色をしたスタウトと呼ばれる種類ですが、スミディックスは赤茶色のエール。ギネスより飲み口が軽く、フルーティーな味と香りが印象的なビールです。

細い路地の奥に残る、スミディックス社の名の入ったオリジナルのゲート
スミディックス社の創業は1710年ですが、エール・ビールの歴史はそれ以前にさかのぼり、13世紀頃からキルケニーの聖フランシス修道院の修道士により製造されていました。
スミディックス・エクスペリエンスでは、スミディックスの発祥、ファミリーの歴史、会社の変遷などを順を追って見ていき、続いて製造過程の見学、最後にバーで出来立てのスミディックスを試飲。非常に楽しい見学で、お客様に通訳しながら私も引き込まれてしまい、見学が終わった時にはすっかりスミディックス・ファンになっていました(笑)。
(ガイド付きツアーに入らず、個人での見学も可能)

発酵前のアルコールになる前の麦汁(Wort)を試飲出来ます。ほんのり甘い麦茶みたいな味?

発酵、フィルターの家庭。ギネス・ストアハウスと同じく、ディアジオ社(Diagio)が手掛けているだけあって、おしゃれな展示館
見学ツアーの中で印象的だったのは、スミディック一族のヒストリーでしょうか。イギリス支配の元、カトリック教徒であったスミディック一族には会社設立・土地所有などの権利与えられていなかったにもかかわらず、運と情熱によって頭角を表していきます。
キルケニーの石灰岩質の硬い水質はエール・ビールの醸造に適しており、当時さまざまな小ビール会社がひしめき合っていたようですが、その中でスミディックスのみが生き残っていくのです。
ウンチクたっぷりの説明を聞いた後でいただく一杯は、なんともおいしく感じられました。
アルコール度数もカロリーもギネスより若干低いそうですよ。(ギネスもビールとしては決して高くありませんが)

出来立てのスミディックス!
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