
楽しくご一緒させていただいた(左から)Aさん&Sさんとモランズの前にて記念撮影。またいらしてくださいね!
先日、女性お二人のお客様をアイルランド西海岸の名所へご案内した時のこと。
実に楽しい1日を過ごさせていただき(→過去ブログ参照:
絶景!モハーの断崖とエイリーン)、その楽しかった日の締めくくりに立ち寄ったゴールウェイ近郊のパブ・レストランがこちら、モランズ(
Morans The Weir, Co. Galway)。

1797年創業の由緒あるパブの建物は、昔ながらの茅葺きコテージ。地元の人々に愛され続けたパブは、1960年代よりシーフード・レストランになりました
このモランズは、1985年に天皇皇后両陛下がゴールウェイをご訪問された時にお食事にいらしたレストランです。

店内には両陛下ご訪問の際の写真が3枚も飾られており、地元の人々の目に触れて親しまれています。上下の2枚は両陛下がお食事を終えて、車に乗り込まれるところ。真ん中は両陛下と当時のオーナー。皇后さまがとってもおきれい
85年当時は皇太子殿下でいらした天皇陛下。昭和天皇の代理として、スペインでご公務を終え、続いてダブリンでの公式行事にご出席されるためにアイルランドへおいでになられました。それ以前にシャノン空港で乗り継ぎしたことがあったものの、陛下が正式にアイルランドをご訪問されたのはその時が初めて。(その20年後の2005年に、2度目のご訪問でダブリンに2泊されています)
2箇所でのご公務の間の週末を、ゴールウェイで過ごされました。
今でこそゴールウェイ・シティーには数え切れないほどのレストランがありますが、当時はその数も少なかったのではないでしょうか。高級ホテルのレストランなどを選ばず、ゴールウェイ湾に面した庶民的な茅葺きコテージのレストランを選ばれるとは、天皇陛下らしいですね。
SさんとAさんに天皇陛下の写真をお見せしていたら、モラン一家の一員であるマイケルが出てきてくれました。

左から、私、マイケル、Sさん。真ん中の写真に天皇陛下と並んで写真に映っているのが、マイケルのお祖父さんとお父さん。「その時、僕は2歳くらいだったと思うよ」とマイケル
現オーナーは7代目だそうですが、マイケルはその息子さん?なのでしょうか。モラン一家を代表して、天皇陛下ご訪問の際の有名なエピソードを話して聞かせてくれました。
私も映画撮影の仕事のお手伝いで皇室の方にインタビューした時に経験があるのですが、一般の私たちが皇室の方々に「触れる」ことは厳禁だそうです。
アイルランドでは初対面の挨拶に握手を交わし歓迎の意を表すのが習わしですが、天皇陛下にはそれは御法度。モランズご訪問の際も、「陛下には絶対に握手を求めてはなりません!」と事前に注意があったそうです。
ところが、当時のオーナーであったマイケルのお祖父さんは、その注意を無視。ご到着された天皇陛下に、「ウェルカム!」と右手を差し出して握手を求め、アイルランド式の歓迎の仕方を貫き通しました。
お付きの方々はさぞかしびっくり、腰を抜かさんばかりだったでしょうが(笑)、陛下はそのジェスチャーをお喜びになられたそうです。
ふらりと立ち寄った日本の私たちに、忙しい中、親切に対応してくださったマイケル。アイルランドの田舎の肩のこらない、温かいもてなしの精神は、陛下ご訪問から25年近い年月がたった今も、ちゃんと受け継がれてるようでした。
夕食の時間にはちょっと早かったので、この日は牡蠣とギネスで乾杯。

ゴールウェイ名物のオイスター。こちらは一年中食べられる地元産の岩牡蠣ですが、毎年9月になるとゴールウェイ原産のゴールウェイ・オイスター(平たくて丸い牡蠣)が出回ります
ゴールウェイ湾でとれる新鮮なシーフードを楽しみたい方、ぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょう。
モランズ・ザ・ウィアー(
Morans The Weir)
The Weir, Kilcolgan, Co Galway.
Tel: +353-(0)91-796113
※ゴールウェイから車で20分程。国道18号線に大きな青い看板が出ているので、そこを曲がります
- 関連記事
-
コメント