
写真左下に小さく映る2人の人を見ていただければ、プレッシーがいかに大きいかおわかりいただけるでしょう
先日のイニシア(Inis Oirr, Aran Islands, Co. Galway)島訪問の際、島の東岸にある有名な難破船「プレッシー(The Plassey)」を見てきました。
1960年3月、ゴールウェイ湾運航中に嵐に遭い、イニシアに打ち上げられた貨物船「プレッシー」。以来、50年以上も打ち上げられた状態でそこに放置されており、今や島の観光名所(時には子供たちの遊び場・・・!)となっています。
さらにこの船は、90年代に英国・アイルランドで放送され国民的人気を博したコメディードラマ『
ファーザー・テッド』のオープニング・タイトルに映っていることでも有名。
(12秒目からの数秒)
アイルランドではまず知らぬ人はないこのドラマ。初回放送(1995年~98年、3シーズン放送)から20年近く経った今でも、こちらでは日常的に再放送され続けている超人気番組です。
ドラマの舞台は「クレギー島(Craggy Island)」という架空の島ですが、このオープニングの空からの映像は紛れもなくイニシア島。プレッシーの姿が証明していますね。
クレギー島の所在地はアイルランドの西海岸沖・・・とされており、我が島こそがクレギー島のモデル!と名乗る場所がいくつかあるようですが、アラン諸島最大のイニシュモア島では毎年2月に「テッド・フェス」(ファーザー・テッドにちなむお祭り。登場人物の姿に扮装したりする・笑)を開催、やはりこのあたりがモデル・・・というイメージをふくらませてくれています。
(ちなみにファーザー・テッドらが住む司教館に使われた家は、カウンティー・クレアに実在、ファーザー・テッドの家としてこれまた有名・笑)

海を背に、アラン諸島独特の石灰岩の岩場にたたずむプレッシー。対岸には高さ200メートルの崖の名所モハーの断崖がきれいに見えていました
実物のプレッシーを見て感激。ただ、『ファーザー・テッド』の頃に比べてかなり風化が進んだような気も・・・。
聞くところによると、今年1月にアイルランド西海岸を襲った大嵐(Storm Christinetheと名付けられたこの嵐で西海岸の各地に被害が出ました)に打たれて船体がひっくり返り、20mも動いたのだとか!

船体に空いたこのスケスケの穴は、1月の嵐の被害によるものでしょう。90年代にも一度、船体が嵐に打たれたことがあったそうです。いつの日にか錆びた鉄の瓦礫の山・・・になってしまうのでしょうか

難破して2年後の1962年に撮影された写真。これを見ると現在のプレッシーがいかに風化してしまったかよくわかりますね(写真は
WikipediaのMV Plassyより)
ちなみに1960年の船が難破した時のことですが、イニシアのレスキュー・チームの活躍により乗組員11名全員が無事に救出されたそうです。良かった、良かった。
なので、この船は幽霊船・・・ではないと思います(笑)。

遠くからでもひと目でわかるプレッシー。50年前の人里離れたイニシアに嵐によってこの船がやってきた日のことを思うと、島で代々語り継がれていくような、それはそれはものすごい体験だったことでしょう
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コメント
野沢 弥市朗
確か、その時に助けられた船員の最後の一人が50年後に再び島を訪ねる、というドキュメンタリー番組もTG4だかで作られたんですよね、私動画サイトで観たような記憶があります。
2014/05/09 URL 編集
naokoguide
プラッシーがらみでいろいろ読んでいたら、救助に「Breeches buoy」なるものが使用されたとあり、一体どんなものだろうと思って調べてみたら、なんとジップライニングそのもの。救助の様子がいかに凄まじかったか・・・。
http://en.wikipedia.org/wiki/Breeches_buoy
そのドキュメンタリーも見たくて動画サイトなどで探したのですが見つからなかったので、今度フィル・アーカイヴかどこかで探してみようと思います♪
2014/05/09 URL 編集