すっかり記事にするのが遅れてしまいましたが・・・。
毎年2月~3月に数週間にわたり開催されるヨーロッパの強豪6か国によるラグビーのチャンピオンシップ、シックスネイションズ(
Six Nations)。今年はアイルランドが2009年のグランドスラム達成(→過去ブログ:
6ネイションズ、グランドスラム達成!)以来、5年ぶりの優勝を果たしました!
シックスネイションズの最終戦はいつもセント・パトリックス・デー(3月17日)前後の週末に行われます。今年はセント・パトリックス・デーが月曜日だったため3連休でしたが、その連休初日の15日(土)に試合が行われ、素晴らしい春の週末の皮切りとなったのでした。
週末のサーフ旅行で地方に滞在していた私は、サーフ仲間たちと皆で試合開始の1時間前から場所取りをしてパブで観戦。夕方5時からという夕ご飯時の試合だったため、ハーフタイムにはピザの出前が届くというパブからのサービスがあったりして、手に汗握る大接戦の中にも和やかなお祭り気分のある楽しいひとときでした。

得失点差でピタリと後ろについていたイングランドをはねのけて、フランスとの激闘を22対20で見事制したアイルランド優勝の瞬間!(Flanagan's Bar, Lahinch, Co. Clareにて)
普段はラグビーにそれほど興味のない人も、格別に注目したこの試合。シックスネイションズの優勝杯がかかっていたことの他にも、いくつかこの試合だけは見逃せない!という特別な理由がありました。
試合はパリで行われたのですが、アウェイでのフランス戦にはアイルランドがいつも敗れる・・・というジンクスがあるのです。過去42年間でたった一度しか勝ち星をあげていなかったパリでの対フランス戦に勝利、これでジンクスがくつがえされたことになればいいのですが。
そしてこの試合が特別だったいちばんの理由は、過去15年間アイルランド代表として活躍してきた国民的英雄ブライアン・オドリスコル(
Brian O'Driscoll・35歳)の引退試合だったということ。
最後に優秀の美を飾ったオドリスコル。インタビューで思わず感極まって涙をこらえる瞬間も見られました。

数々の天才的プレイでアイルランドを何度も勝利に導いてきたオドリスコル。ちなみに前回のパリでの勝利は2000年、オドリスコル20歳の時、ハットトリックをマークしてその天才ぶりを世界に知らしめたあの試合でした。彼の緑のジャージー姿を今後見ることができないとはなんとも寂しい・・・
(
Irish Independent Photosより)
前週のダブリンで行われたイタリア戦が、オドリスコルのホームでの最後の試合でした。その時は試合終了後に彼の顔写真の巨大なバルーンが球場に登場、ちょっとした引退セレモニーのパフォーマンスが行われました。
その試合で通算テストマッチ140という世界最多記録を更新したオドリスコル。地元ファンの声援に応えながら、昨年のシックスネイションズのイングランド戦のその日に生まれた娘のサディー(Sadie)ちゃんを抱いて球場を歩くオドリスコルは、まさに「世界一幸せな男」の顔でした。
(かつて「アイルランド一セクシーな男」に選ばれたことのあったオドリスコル、今ではすっかり落ち着いていいパパですね)
素晴らしい才能とスター性を兼ね備えた選手で、引き際も完璧、こちらのメディアで盛んに言われているように「フェアリーテイル」そのもの。100年に一度いるかいないか、といったくらいのスポーツ界の歴史に残るヒーローだったと思います。
才能のある選手は他にもたくさんいるけれど、オドリスコルのような人はこれからもなかなか出てはこないでしょう。
余談ですが、今回のシックスネイションズでアイルランドの試合を一戦でもご覧になった方は、ゴードン・ダーシー(Gordon D'Arcy)のヒゲに目が止まったことと思います。まるでレプラコーンが球場を走っているかのよう・・・でしたね(笑)。
彼のヒゲは、フランス戦で2度のトライを決めたジョナサン・セクストンにより、試合後にきれいにそられたとのこと、あー、それを聞いてなんだか私まですっきりしました!
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コメント
dackey
2014/03/21 URL 編集
naokoguide
ほんと、ハラハラしましたね~。アイルランド人の友人たちも「心臓が若くて(Young heart)で良かったわ~」って言いながら見ていました(笑)。
そう、若手選手が育ってきていて楽しみですね。セクストンは結婚して、お父さんになり、ダブリンを離れて慣れないパリ暮らし・・・と私生活での変化が選手としての成長にもつながっている感じ。そうですね、顔つきがしまって大人になったように私も思います。
あと、最後の方に交代で出てきたXファクターに出てくるような22番の男の子。すっかりお母さんみたいな気分で、失敗しないで頑張れ~と見守ってしまいました(笑)。
2014/03/21 URL 編集