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アイルランド最古のパブ、ショーンズ・バー(アスローン)

アイルランドの「へそ」にあたるアスローンの街に、ギネス・ブックにも載っている「アイルランド最古のパブ」があります。
2004年から継続してギネス記録を保持しているそのパブの名は、ショーンズ・バー(Sean's Bar, Athlone, Co. Westmeath)。先日お客様をご案内して、初めて行ってみました。

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アスローン城のすぐ近く、街でいちばん古いエリアにあります

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「アイルランド最古のパブ」の看板

このパブの発祥は900年頃。ケルト人が群雄割拠するアイルランド島に、バイキングが攻め入ってきた頃に時代にさかのぼります。
アスローンを流れるアイルランド最長河川・シャノン川の渡し場に人が集まり、お酒を飲むようになり、酒場が出来た…というのが始まりのよう。
ダブリンにある、やはりアイルランド最古とうたっているブレイズン・ヘッド(Brazen Head, Dublin 8)もリフィー川のほとりにあるのですが、橋のたもとに人が集まり自然発生的に酒場となった…という共通した歴史を持ちます。(ちなみにブレイズン・ヘッドは1198年創業)
街の人や旅人がちょっと一杯…と休憩していたのが始まりなのでしょう。

ショーンズ・バーはもともと、「ルアンズ・イン(Luain's Inn)」という名の宿屋を兼ねた酒場でした。
ルアンとは、シャノン川に橋がなかったその昔、川の浅瀬で人々を安全に渡らせる手助けをしていた人物の名。アスローンの街の名は「ルアン(Luain)の浅瀬(Átha Luain=Luain's ford)」の意味ですから、その名がすばり、歴史を感じさせます。

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昼下がりのパブでくつろぐ女性。夜はとてもにぎやかになるパブも、昼間はこんなに静かです

1970年代にパブの建物を改築した際、オリジナルと思われる土壁が出てきました。調査の結果、900年代のものだということがわかり、パブの創業の古さの裏付けとなっています。

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パブ内に展示してあるオリジナルの土壁。バイキングの住居の作り方と全く同じです

パブのすぐ脇にはアスローン城が建っていますが、城の建設は12世紀(現在の石造りの城は13世紀初頭)ですから、ショーンズ・バーの方が城よりも歴史が長いことになりますね。

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雑然としたパブのカウンター。この後、お客様はカウンター内でギネスを注がせてもらって写真を撮らせてもらいました(笑)

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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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