来年2013年は北アイルランドが何かと注目されそう…と先日のブログに書きましたが、
ファーマナ県ロックアーン・リゾート(Lough Erne Resort, Co. Fermanagh)にてG8サミット(主要国首脳会議)が開催される他、もう一か所、注目すべきはデリー(Derry/Londonderry, Co. Derry)。
アイルランド唯一の城塞都市として知られるデリーは、2013年の英国文化都市(UK City of Culture)に指定されており、来年一年を通してさまざまなイベントが行われる予定です。

人口約9万人のデリー。昨年6月に開通したピース・ブリッジ(Peace Bridge)からギルドホールを臨む。このピースブリッジはプロテスタント地域であるウォーター・サイドとカトリック地域である旧市街側の間を流れるフォイル川にかけられたもので、紛争が終結して和平が訪れたデリーを象徴する新しいモニュメントです(2013年8月撮影)
英国文化都市(UK City of Culture)というのは英国内で選出される「文化都市」で、EU内で選出される欧州文化都市とは別モノ。2008年にリヴァプールが欧州文化都市に選ばれて成功したことを受けて、新たに始められたものです。
来年2013年が初年度となり、最終選考に残ったバーミンガム(Birmingham)、ノリッチ(Norwich)、シェフィールド(Sheffield)を見事破り、デリーが初代英国文化都市となりました。
2013年以降は、4年に一度都市の指定が行われます。
ちなみに来年2013年は、デリーの城壁建設が始まってきっかり400周年。1613年~1619年にかけて建設された一周1.5キロの城壁は、英国支配の象徴とも言える建造物ですが、今となってはデリーが誇る歴史的な遺産。私もデリーをご案内する時は、必ず城壁ウォークにお客様をお連れしています。
先月イベント内容の正式な発表があり、年間通してのイベント・カレンダーが公示されました。(詳細はこちら→
http://www.cityofculture2013.com/)
歴史的建造物や周辺の史跡などで行われる催し、スポーツのイベント、ファッションや食に関するものなど多岐にわたるプログラムが組まれている中、やはり目玉となるのは音楽関係のコンサート等でしょうか。
デリーと言えば、70年代パンク・バンドの代表アンダートーンズ(Undertones)の出身地。アンダートーンズの名曲「ティーンエイジキックス」をベースにしたミュージカル(「Teenage Kicks A Punk Musical」2013年11月1~9日)が行われる他、現在もアイルランドの音楽シーンで幅広く活躍するデリー出身のピアニスト/ソングライター、フィル·コールター(Phil Coulter)のホームカミング・コンサート(2013年6月15日)なども予定されています。
2005年にコーク(Cork)が欧州文化都市に指定された時もそうでしたが、文化都市に指定されている期間にデリーに来れば、いつもどこかで何かがありますよ~といったイメージ。
過去数年、観光誘致にかなり力を入れてきたデリーですが、来年一年はさらににぎやかになりそうですね。
★デリーに関する過去ブログ:
デリーのオレンジ・パレード、
デリーの虹と、和解の銅像、
千の風になって、
「私の愛する街」デリー
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