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アイルランド最古のレバノン杉(アデア)

アイルランド周遊の際にしばしば立ち寄る小さな町アデア(Adare, Co. Limerick)。その昔ここはダンレイブン伯爵の領地で、町に隣接して残るかつての領主の館は、現在アデア・マナー(Adare Manor)として国際的なゴルフ・コースを兼ね備えた5つ星のホテルとなっています。

ツアーの途中、時々ここでお客様とお茶休憩をしたり、お庭を散歩したりするのですが、敷地内に私のお気にりの巨大レバノン杉があります。

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マナーハウス裏手の花壇の脇に巨木となって立つレバノン杉

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「ブリテン島&アイルランドで公式に認められた最古のレバノン杉。1645年頃に植えられたと思われる」と書かれています

1645年植樹ということは、樹齢370年近く。近くに寄るとそのパワーに圧倒されそうです。

かつては森だったアイルランドですが、耕地を作るため長い年月にわたり森林が伐採されれ続けたため、現在この島には古来からの森はありません。唯一、貴族の邸宅などに植えられた珍しい樹木のみが古樹として残るのみ。
よって古い木はいずれも外来種で、その多くがビクトリア時代に持ち込まれたので、せいぜい樹齢150~200年位。よって、樹齢300年を超える木というのはアイルランドでは非常に珍しいということになります。

レバノン杉そのものは何千年も生きる木ですが、原産国であるレバノンでも古樹は少なくなり、保護の対象になっていることは知られていますね。
添乗員をしていた90年代後半にレバノンへはよく行っていたので、この木にはちょっとした思い入れがあります。古くからのレバノン杉のしげる森へ入っていくと、レバノン杉独特の香りがただよっていたのを思い出します。
レバノン奥地の森には、現在樹齢1200年を越す木が400本ほど残ると聞いています。

レバノン杉は古代エジプト人が神殿を建てるため、さらにはミイラを包む布を浸すための香油をとるのに使用したという聖木。
レバノンの地中海沿いにある港町ビブロスからエジプトへ運ばれたのですが、古代エジプト人がビブロスの神殿でお参りをして、そこから山へ気を切りに入って・・・と遺跡を見学しながらそんな話を聞いたのを思い出します。
かつてフェニキア人が活躍した痕跡の残るレバノンの地中海沿いの遺跡は、その歴史も含めてどこかロマンチックで、訪れるたびに惹きつけられました。

アデア・マナーのレバノン杉も、ときどき風向きによってが、ほんのりとレバノン杉の香りがすることがあります。とてもかすかな香りですが、嗅ぐといつもレバノンを訪れていた頃のことを思い出します。

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19世紀に新築されたダンレイブン伯家の館アデア・マナー。一年365日と同じ数のステンドグラス、52週と同じ数の煙突があります

※アデア・マナーの敷地へはホテル宿泊もしくは利用客以外は入ることができません。宿泊せずに庭を散歩したい場合は、ホテル内で食事もしくはお茶をいただくなどしましょう。



コメント

先週、日本からやってきた友人と、こちらでアフタヌーンティをしたばかりです。そんな古い大木があることを全然知りませんでした。最初に、この記事を読んでおけばよかったと後悔(^_^;)
でも、次回は、ぜひ見てきたいと思います。 
いつも興味深い情報をありがとうございます。(^^♪

Hanaさんへ

キャッスルでのティータイム、素敵ですよね。お城の裏手のお庭の、川沿いにあります。次回行くことがあれば、見てみてくださいね。

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。
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