2月に放送された、私が撮影コーディネートさせていただいた
「知っとこ!」(TBS系列)の「世界の朝ごはん」のベルファースト編。
制作会社さんからDVDのコピーが届き、3ヶ月遅れで楽しませていただきました。
タイタニック号、
交通博物館にあるデロリアン、
テキスタイル・デザイナーのジュード・カッシディーさん、イケメン君&船上カフェにネコの城・ベルファーストキャッスルなどなど。そして…とっても可愛い新婚さん!若くて初々しい新婚さんの登場に、スタジオも盛り上がっていましたね。
放送終了後、出演者の皆さんにも視聴者の皆さんにも大変評判が良かったと聞いていたとおり、ベルファーストの街&人を素敵に撮影・編集してくださり、スタッフの皆さんに心から感謝申し上げます。
ただ、ひとつだけ、内容が良かっただけに残念だったことがあります。
番組を見て気付かれた方もおられたかと思いますが、国名の紹介・表記が放送を通してずっと「イギリス(ユニオンジャックの国旗付き)」となっていました。
これは完全な誤りとも言い難いのですが、やはり正しい認識ではありません。
では、ベルファーストはどこの国に属しているのか? イギリスなの? アイルランドなの? …ということになりますが、「ベルファーストは北アイルランドの首都(自治議会を持っています)」ですから、やはり「北アイルランド」と表記するのが正しいのではないかと思います。
イギリスの正式国名は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」(日本での通称:イギリス)。
Wikipediaなどの説明を見ると、ベルファーストを首都とする「北アイルランド」は、連合王国を構成する「国」の一つと説明されています。
また観光に関しては、北アイルランドはアイルランド政府観光庁の傘下に入っており、イギリスの管轄ではなく、アイルランド島内の管轄となっています。
ご存知のように北アイルランドは、アイルランド系住民とイギリス系住民で構成されており(正確にはスコットランド系住民も!)、それぞれが異なるアイデンティティーを持っています。
杓子定規にどこの国?とは言い難く、長い歴史的背景を理解する必要があるのですが、私がお客様にご案内する時は、「北アイルランドは行政・政治的には英国連合の一部ですが、文化・地理的にはアイルランドで、自治議会を持つ自治領です」といった表現をしています。
これが感覚としてピンとくるのはやはり難しく、メディアでの表現がどうしても「イギリス」になってしまうのもわからないでもないですが、やっぱり「アイルランド」でも「イギリス」で100%正解ではないので、「北アイルランド」なんですね。
いずれにしても、今年2012年はタイタニック号の100周年ということもあり、ベルファーストがメディアで紹介されることが多くなっています。
ベルファーストはどこにあるの? どこの国なの? という疑問がわいたら、「英国連合の一部で、アイルランド島の北東部にある‘北アイルランド’の首都」というのが誤解のない表現かな、と思います。
ご参考までに。
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コメント
Uisce
2012/05/27 URL 編集
naokoguide
確かにUisceさんのおっしゃる通り「イギリス」とするのがいちばん簡単なので、そういうことになったのだとは思いますが、北アイルランドに関しては「アイルランド島の一部」でもあるので、やはり番組を通してアイルランドの伝統文化でさえも「イギリスでは○○…」と紹介されてしまったのは、間違いだと思っています。
観光の面では英国の管轄ではありませんから、撮影への協力は北アイルランド観光庁がしているという事情もあり…。やはり「イギリス」とひとまとめに紹介するの感覚的に違いますから、ここが難しいところですね…
2012/05/29 URL 編集
たら
2012/06/05 URL 編集
naokoguide
「ロンドンデリー」は、両住民に配慮して、「デリー」も「ロンドンデリー」もどちらも正解・・・ってことに今はなっているようです。なので、両方の地名を記すのが正解なんでしょうけれど、それはそれでややこしいのでどうしてもそうなってしまうんでしょうかねー。
この感覚はなかなか伝えにくく、伝えようとすればするほど誤解を招きやすく、難しいですね。
2012/06/06 URL 編集
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2013/06/18 編集