今年2012年は「11年に1度」のオーロラ鑑賞の当たり年であると、日本でもさかんに言われているかと思います。
オーロラの発生は太陽の活動と関係があり、今年は11年ぶりに太陽の黒点が活発になるため、発生率が高いのだとか。
オーロラ鑑賞というとアラスカやカナダ、アイスランドなどが知られていますが、実はアイルランドでもオーロラが見えることがあるのです。
北緯51~55度に位置する北の国、アイルランド。専門家によると、アイルランドは北極地方におけるオーロラ鑑賞の南限なのだとか。
そんなわけで、この冬はアイルランドでもオーロラが見えるかも!?…と、ここ数日、新聞やラジオで話題となっています。
過去に北西部のドネゴールやスライゴ地方でオーロラが観測されていますが、それは緯度が高いからというより、暗い場所が多いから…ということのようです。アイルランドは狭い国なので、緯度は大した問題ではなく、それよりも灯りの少ない暗い場所で見ようとすることが重要、と数日前にラジオで専門家が話していました。

アイルランドの北の端、Pollan Beach(Ballyliffin, Inishowen, Co Donegal)にて6か月前に観測されたオーロラの写真。
1月8日付のThe Irish Times紙より
ちなみに私は、これまでに2度、オーロラを見たことがあります。
一度目は15年ほど前、添乗員をしていた頃。ヨーロッパから日本へ向かう途中の飛行機の中、シベリア上空にて。
機内は消灯中で皆眠っていたのですが、たまたま起きていた私に乗務員さんが教えてくださり、寝ていたお客様を急いで起こしに回った覚えがあります(笑)。
それは9月で、通常はオーロラがよく見える季節ではないとのことでしたが、白いカーテンのようなものが飛行機の窓からユラユラとうごめいている様子が、かなり長い時間見えていました。
そして2度目はここアイルランド、なんとダブリンで見たのです!
2003年の冬のこと、当時私はガイド仲間である友人、ジェリー(Gerry)の家に住んでいました。
寒い夜で、外から帰ってきたジェリーが「空が青く光っているんだけど、オーロラじゃないかと思う」と言うので、大急ぎで外へ。
確かに空の一部分が、異様な光を放っていました。かすかではありましたが、電光のような青白い光。
翌朝のアイリッシュ・タイムズ紙の一面を飾ったのは、スライゴの空が一面、赤と緑に覆われている美しい写真。見事なオーロラでした。私とジェリーが見たのは、アイルランド北西部に現れたオーロラの端っこだったのです。
日本で知られるオーロラ(Aurora)という呼び名は、ローマ神話の女神の名に由来するもの。こちらではノーザンライツ(Northern Lights)と呼ぶのが一般的ですが、「オーロラ」と呼ぶ方がより神秘的な感じがしますね。
他にも地域によってさまざまな呼び名があるようですが、上記のアイリッシュ・タイムズ紙の記事によると、ネイティブ・アメリカンたちは「Dance of the Spirits(精霊たちの踊り)」と呼ぶのだそう。素敵。
オーロラの当たり年と言われる今年。精霊たちが、アイルランドでもその踊りを見せてくれることを願います!
- 関連記事
-
コメント
野崎洋子
2012/01/13 URL 編集
naokoguide
2012/01/14 URL 編集