
伝説のフィドラー、PJ ヘイズさんの墓所(Feakle, Co. Clareにて)。10回目の命日にお墓参りをさせていただきました
ここ数日、アイルランド西部のカウンティー・クレア(Co. Clare)にて、今月末に撮影を行うTV番組のロケハンをしています。
アイルランドの伝統音楽に関係する番組で、そのメッカともいえるクレアにてディレクターさんと2人、さまざまな音楽シーンを訪ね歩いています。
昨日は東クレアのタラ(Tulla, Co. Clare)、そしてお隣りのフィクル(Feakle, Co. Clare)という小さな村へ。
国内でもっとも知られるケーリー・バンドのひとつ、タラ・ケーリー・バンド(Tulla Ceili Band)の足跡を訪ねました。

谷あいの町タラ。ここがタラ・ケーリー・バンドの発祥地。Tullaとは「hill(丘)」の意だそうで、その通り小さな丘の上に町はありました
ケーリー・バンドというのはダンスの伴奏専門のバンド…とでも言ったらよいでしょうか。「ケーリー(Ceili)」とはアイルランドにおけるセット・ダンスの集いのことで、ダンスを踊らせるために演奏するバンドを「ケーリー・バンド」といいます。
タラ・ケーリー・バンドは60年以上続く国内最古のバンドのひとつ。昨日はその創始者のひとり、P.ジョー・ヘイズさんが他界されて10周年…という特別な日で、私たちはなんと、たまたまそこに居合わせたのでした。

東クレアの音楽シーンに欠かせないのがここ、ペッパーズ・バー(
Pepper's Bar, Feakle, Co. Clare)。P.ジョー・ヘイズさんが演奏していたパブで、彼がすわって演奏していた場所には今でも彼の名の入ったプレートがそのまま置かれています

P.ジョー・ヘイズさん(左)とフランシー・ドネリン(Francie Donnellan)さん(右)。タラ・ケーリー・バンドの中心となって活躍した二人のフィドラー
このP・ジョー・ヘイズさんの息子さんにあたるのが、今やアイルランドのみならず、アメリカ・英国・日本でも活躍中の有名フィドラー、マーティン・ヘイズ(Martin Hayes)さんです。
昨晩フィクルではマーティンと数名のミュージシャンによる演奏会が開かれており、ラッキーにもその場に居合わせることが出来ました。

中心で演奏するのがマーティン。その右がマーク・ドネリン(Mark Donnellan)さん、フランシー・ドネリンさんの息子さんで、現在のタラ・ケーリー・バンドの中心メンバー。伝統音楽がまさに親から子へと継承されている様子を目の当たりにして、感慨深い気持ちでいっぱいになりました
ほんの数週間前に日本でコンサート&ワークショップを行ったばかりのマーティン。彼とは今回のTV番組製作の件で別のかたちで連絡を取らせていただいており、いずれはお会いすることになっていたのですが、まさか昨日、フィクルで会えるとは思ってもみませんでした。
ロケハン中、たまたま時間が空いたので、「じゃあ、フィクルに行ってみましょう」と来てみただけだったのですが、今思えば私の野生の嗅覚が何かを感知したのかも(笑)。
村に車で入っていったとたん、マーティンのマネージャーさんに私たちが「発見」されてしまい、「ここにいた~」とお互いに指をさしあって大笑い。その流れで、P・ジョー・ヘイズさんのお墓参りもさせていただき、マーティンの演奏会にも招いていただいたのですから。
フィクルの村には今後も、ロケハン、撮影を通して何度も通うこととなりそうです。

昨日のマーティンの演奏家が行われたのがこちら、ボハンズ・パブ(Bohan's Pub, Feakle, Co. Clare)。ここのギネスは最高です!
- 関連記事
-
コメント
エルタ
マーティン・ヘイズとデニス・カヒルの東京でのライブに行きました。震災と原発の影響でコンサートが数多くキャンセルされる中で、よく来日してくれたと感謝しきれません。ライブも本当に良かったです。
番組の撮影もうまくいきますように。詳細が告知できるようになったら、お知らせください。楽しみにしております。
2011/05/16 URL 編集
naokoguide
コメントありがとうございます。
放送は7月です。昨日より撮影も始まりました。またおいおい、様子をお知らせしますね!
2011/05/23 URL 編集