セント・パトリックス・デーに続くこの週末、ダブリンは勝利の余韻に酔いしれていました。
シックス・ネイションズ最終戦となった土曜日のホームでの対イングランド戦ですが、アイルランドが24-8という大差で、見事な勝利をおさめたのです。

アイルランド代表チームキャプテンのブライアン・オドリスコル(Brian O'Doriscoll)のトライの瞬間。このトライでオドリスコルはシックス・ネイションズにおけるトライ数25となり、記録保持者となりました(
Irishtimes.comより)
イングランドのグランドスラムへの夢を打ち砕いたこの勝利。今年のシックス・ネイションズはなんだかパッとしないままに終盤を迎えてしまったアイルランドですが、最後の最後で、しかもホームでの対イングランド戦で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれ、それはそれは胸のすくような思いでした。
イングランド側の緊迫したムードは手に取るようで、対するアイルランド側の負けてなるものか!という気迫も、TVを見ているこちらにまで伝わって来るかのよう。
先週の対ウェールズ戦で誤審によりウェールズのトライが認めらてしまい、勝利を逃したアイルランド。その悔しさが、目に見えない炎となって現れているかのようでした。
試合運びは終始アイルランドがリードしており、技はもちろんのこと、試合の始まりからアイルランドが「気」で勝っていました。
まるで緑の戦士が戦場で戦っているかのような、ものすごい気迫。若い選手の多いイングランドは、近距離からのペナルティー・キックを外してしまったり…と、緊張している様子が気の毒なくらい。
その緊迫したムードは、
2009年のアイルランドがグランドスラムを達成した対ウェールズ戦、さらには
2007年のクロークパークでのアイルランドの歴史的勝利を思い起こさせました。
昨年のシックス・ネイションズの際、アイルランド・ラグビーは世代交代の過渡期…ということを書きましたが(過去ブログ参照:
6ネイションズ2勝目…トミー・ボウの大活躍!)、昨年から引き続いたその過渡期を経て、シリーズ最後となった今日の試合で、ついに「新生アイルランド・ラグビー」が誕生したかのような印象でした。
もしこれからシリーズが始まるのだったら、グランドスラムも夢ではないかも…と思わせるくらい、強靭なチームとなったアイルランド。残念ながらシックス・ネイションズはこれで終了で、アイルランドは3位という結果に終わりましたが、今日の試合ぶりを見る限り、ポイントはそこではない、という印象。
9月のニュージーランドで行われるラグビー・ワールドカップへ向けて、大きな弾みをつけることとなりました。
この試合では若手選手の活躍も目覚ましく、これまではベテランのローナン・オガラの代役的だった若いジョナサン・セクストンが、難しいゴールキックもすべて成功させて、マン・オブ・ザ・マッチを受賞。なんだか顔つきもたくましくなったようで、我が子の成長を見守るかのようにうるうるしてしまいました(笑)。
その他、キース・アールという敵陣突破型の若い選手も光っていて、今後の活躍が楽しみです。
試合をご覧になりたい方、期間限定(4月9日まで)ですが、RTEプレイヤーで見ることが出来ます。ライブほどの臨場感はないかもしれませんが、闘魂アイルランド!に元気が出ますよ。(→
Six Nations Championship: Ireland v England)
追記(3月22日):ちなみに、この対イングランド戦のパフォーマンスにより、今日発表された世界ラグビーのランキングで、アイルランドは4位となりました。(上位3か国はいずれも南半球の強豪。北半球ではアイルランドがトップということになります♪)
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