プリンス・エドワード島(P.E.I.)でのクリスマス・ホリデーの間、私の過去や未来を象徴するような興味深い出来事がいくつかありました。
ひとつは、20年前の「私」と思いがけず対面したこと。
もとはペンパルだった私たち。(過去ブログ:
アイリッシュだった…私のペンフレンド!)ワニータ(Juanita)がここにあるはず…とベッドの下を探ったら、「Naoko箱」が出てきて、ふたを開けるとそこにはティーンエージャーの頃に私が書いた手紙の束がどっさり入っていました。

まるで昨日届いたかのように、きれいに保存されていた手紙たち。ワニータ、ありがとう!
手紙と一緒に送った写真や、小さなプレゼントまで全て、そこにありました。
折り紙の日本人形が付いた和紙のしおりのセット(きっと修学旅行のお土産)、手作りの高山植物の標本(自分で採集して貼り付けて、植物の名前がすべて日本語と英語で記してあった!全く記憶にないのですが…)、自分では写りがいいと思っていた友人との写真(今見ると、どひゃ~って感じの髪型・笑)、切手も日本らしいものを…といろいろと工夫して記念切手を貼り付けてありました。
ある年のクリスマスカードを開けたら、いきなり「ジングルベル」が鳴り出し、びっくり。開けると音が鳴るカードありますよね、なんと20年経った今でも鳴るのです!
実は昔の自分の手紙を読むなんて、なんだか恥ずかしくてイヤだな~とちょっぴり思っていたのですが、読み始めてみると、それはそれは楽しく、不思議な体験でした。
自分が書いたものを読んでいる…というより、「昔私がよく知っていた、懐かしい女の子」と対面しているような感じ。そこにいるのは「私」というより、「私の中の原型」のような、なんだかとてつもなく愛おしく、懐かしい「誰か」だったのです。

これがいちばん最初の手紙。日付は1987年7月29日。な、なんと、23年前…!言うと年がばれますが、私もワニータも当時はスウィート・シックスティーンでした…♪
「ディア・メアリー(ワニータはミドルネームを呼び名としているですが、最初の手紙ではそれを知らなかったため、ファーストネームで呼んでいます)、初めてお便りします…」で始まる、この23年前の手紙は、ある意味衝撃的でした。
まず、我ながら字がきれい。しかも、筆記体で書いている!(当時は外国人は皆、筆記体で書くもの…と思っていた・笑)簡単な英語ながら文法の誤りはほとんどなく、よく書けたね~、私…と、なんだか感心してしまいました(笑)。
そういえば当時は、間違いのないよう、一度ノートに全部下書きをしてから、便箋に清書していたように思います。
日付の古い順から徐々に読み進めていったのですが、「見て見て、○○だって~、ギャハハハ~」と2人で笑いが止まらず。手紙には、私たちがこの20年間全く思い出さなかったようなことが、本当にいろいろと書かれていたのです。
爆笑したのは、1988年のソウルオリンピックの話。カナダの陸上選手、ベン・ジョンソンのドーピング問題が発覚したことに対し、17歳の私が「カナダの皆さんに心から同情申し上げます」などと書いているのには、皆でのけぞって笑ってしまいました。
さらに、昭和天皇が病気になり、その病状が毎日TVで伝えられていること(ワニータはこれを読んで日本に天皇がいることを知ったそう)、水泳の大会で入賞しただのしないだの…といった日常のこと、ワニータが村のブルーベリー祭りで「ブルーベリー娘」に選ばれたことへの賛辞、大学への入学が決まり東京への引っ越し準備をしていること…などなど。
ワニータの日本へ行きたいがどこへ行くのがいいか、という質問に対して、「東京は都会で英語を話す人も多いため、日本語が上達しにくい。田舎に住めば皆が大事にしてくれ、英語も通じないため、日本語の上達が早いと思います!」などど真面目くさってアドバイスしているものもありました。(このあとワニータは英語の先生になり、実際に日本へやってくるのですが、その派遣先は鳥取県。私のアドバイスを身をもって体験したのでした…笑)
この頃、手紙の中でさかんに使われていたのが、付加疑問文。「~isn't it?」とか「~aren't you?」などと文の末尾に付けて「~でしょ?」と言う言い方。
これがこなれた英語である、と信じていた私は、出来るだけそれを使ってみたかったのでした(笑)。
1992年、大学3年生の時にワニータを訪ねてプリンス・エドワード島にやって来た私。
初めての海外で英語も上手に話せなかった私を、ワニータとご家族は本当に温かく迎えてくれ、夢のような2週間でした。その前後の手紙がこれまた興味深く、日本に戻って最初に出した手紙には、皆さんへのお礼の言葉と共にこんな一言が添えられていました。
「(実際にお会いしてみて)あなたのことが本当に好きになりました。それはあなたが、私の憧れのプリンス・エドワード島に住んでいるからではなく、ワニータだからです!」
と…。
これには思わず、ほろり。いかにも私が書きそ~な文章。昔も今も。20年前の「私がよく知っていた女の子」が、ワニータとの出会いをどれほどドラマチックにとらえていたか、それが痛いほど感じられて、またほろり。
さらにワニータの家族に読んで聞かせると、皆で口をそろえて「おぉぉ~」と叫んでから、ほろり、ほろり。
皆で泣き笑いした、ボクシング・デー(クリスマスの翌日)の出来事でした。
私も日本の実家に「Juanita箱」があります。もう何年も開いてみていないのですが、今度日本に帰った時には、ぜひとも発掘してみなくては。
いずれもEメールが普及する前の、古き良き時代の思い出です。
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コメント
アンナム
2011/01/09 URL 編集
Pearl
私までほろりとしました。
素敵なお友達がいてnaokoguideさんは幸せですね。
2011/01/09 URL 編集
もこママ
2011/01/09 URL 編集
naokoguide
縁のある人とは、ぴったりのタイミングで、心の向きもぴったりの時に、ちゃんとめぐり会うようになっているのですね。
ワニータとの出会い・再会もそうですし、今回の「昔の私」との再会も、縁あってのことだと感じています。アンナムさんや皆さんとも。
2011/01/09 URL 編集
naokoguide
2011/01/09 URL 編集
naokoguide
今なら、そうですね、昔と違ってもっとスピード早く、メールやFacebookで友達を作るのでしょうかね。そのスピードになれてしまうと、手紙ってとてつもなく大昔の話みたいですよね(笑)。
いつの日か、アイルランドの地でお会いできることを楽しみにしています♪
2011/01/09 URL 編集
tara
2011/01/10 URL 編集
naokoguide
また遊びに来てください!(カレー食べたい♪)
2011/01/11 URL 編集
coco
2011/01/11 URL 編集
naokoguide
久しぶりにエミリーも読み返したくなりました。
私もよく、未来の私へ…お手紙書いてました。で、タイムカプセルみたいにして、庭に埋めたりしてたけど、引っ越しちゃって今ではどこにあるやら(笑)。
2011/01/12 URL 編集