
写真奥の波打つようなビルディングが新ターミナル(旧ターミナルの立体駐車場から)
過去3年間にわたり建設が進められてたダブリン空港の新ターミナル(ターミナル2)がついに完成し、来月11月19日に正式にオープンすることが発表されました。
その発表があったちょうど今日、ツアー・ガイドを対象にした新ターミナルの見学会があり、参加してきました。

出来たてのビルディングの中で、プレス担当のVincentさんから説明を受けるガイドたち。ここはチェックイン・エリア
総費用6億ユーロを費やす大プロジェクトとなった新ターミナルの建設。総面積75000㎡、年間1500万人が利用可能なこの施設は、2006年にパスカル&ワトソンという会社によりデザインされました。
旧ターミナルが1970年型の箱型の建物なのに対し、こちらはガラスを多用した、自然光を多く取り入れるタイプのモダンなビルディングです。
構造上、旧ターミナルと大きく違うのは、チェックイン・エリアと出発ゲートが同一階にないこと。
G階でチェックイン(搭乗手続き)したら、エスカレーターで2階へ上がり、セキュリティー・チェックを取って搭乗ゲートへ。シャノン空港やベルファースト・シティー空港も同様の構造ですが、あちらはチェックインと到着ホールが同一階なのに対し、ここダブリンの新ターミナルは、到着ホールが別階となるのが特徴。
G階がチェックイン、1階が到着、2階が出発…と機能を分けることで、各エリアが混雑することなく、スペースが保たれるという利点があるのでしょう。
1階の到着ホールからは、トンネルのような通路を通ってそのまま屋外に出られるようになっています。
オンライン・チェックインで飛行機に預ける荷物がない場合も、混雑したG階のチェックイン・エリアを通らずに、屋外から直接セキュリティー・チェックへ進むことが出来るわけです。

出発階へのエスカレーター。到着階にある黄色いオブジェは「Turning Point」という名だそうです
セキュリティー・チェックの向こう側へも入れてもらい、搭乗ゲートも見せてもらいました。
準備が整いつつある免税店もちらりと見てきましたが、各種土産物屋やアイリッシュ・ウィスキーの専門店に加えて、チョコレート・バーなるものが。
説明によると、回転寿司のようなベルトにいろいろなチョコレートが流れてくるんだそうです!
ボーディング・ブリッジは全部で19、搭乗ゲートは25あります。旧ターミナルがピアAからDなので、こちらはピアEとなり、ゲートはすべて400番台で表記されます。

401から始まる搭乗ゲート。全部で25あるので最後は425となるはずですが、通路の終わりにあるのはなぜか426。新ターミナルのミステリー?(理由はわかりませんが、425が飛び番なんだそう)
これまでのダブリン空港に比べると、かなりの大きさの新ターミナル。
近年、経済全体が落ち込んでいるアイルランドですが、華々しくオープンしたところで、実際にこの建物を使いこなせるのか…という疑問もわいてきます。
新ターミナルをデザインした2006年はケルティック・タイガーの余韻が最高潮の時で、空港利用者数は年間2600万人。ところがそれ以降減少し続け、2008年は2350万人、今年2010年は1850万人(年末までに1900万人となる見込み)だそう。
新しい施設にわくわくする一方で、このモダンなビルディングが今のダブリンに本当に必要なのかしら…というちょっと空々しい気持ちがわいてしまうのが残念です。
今後は、旧ターミナルがターミナル1、新ターミナルがターミナル2となるわけですが、各ターミナルへの就航エアラインは以下のようになります。
ターミナル1
ライアンエア、エアアラン、ヨーロッパのエアライン(BMI、SASなど)
ターミナル2
エアリンガス全路線、アメリカ&中近東のエアライン(AA、Etihadなど)
来月19日のオープン以降、徐々に移動が行われるものと思われますので、ターミナル2へ移動予定のエアラインをご利用の方は、11月19日以降、要チェックです。
万が一間違って旧ターミナルへ行ってしまっても、2つのターミナルは隣り合っているので、徒歩5分くらいで移動可能。成田空港の第1と第2のように離れていないので、この点は安心ですね(笑)。
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コメント
みゆき
話題になっています!
日本らしさあふれるショップなど
魅力的なようですが
今までの成田利用者が羽田に流れていくと思うと、
成田の今後が心配になってきます・・・。
都心から近い分、
気軽に海外旅行に行けて便利になります。
群馬からだと結局東京で一泊しないと無理な便もありますが。
ガイドさんも新しいスポットができる度に
覚えることがたくさんあって大変ですね!
2010/10/24 URL 編集
naokoguide
今回の空港見学で初めて知ったことですが、空港の作りってどこも似た感じがするな~と思っていたら、国際間で共通している一定のスタンダードがちゃんとあるんですね。ヨーロッパはヨーロッパ、アジアはアジアで、広さなどが違うようですが。
そうですね、成田はどうなってしまうのか、ちょっと心配でもありますね…。
2010/10/25 URL 編集