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さようなら、ローヴァー

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ある夏の日のRover(2007年6月撮影)

昨日、友人からテキストが来て、見るとこんなメッセージが。

「Rover. R.I.P.」

なんと、私の大好きな犬のRover(ローヴァー)の訃報でした。

Roverというのは、私がプロフィール写真(左)にしている犬のこと。
アイルランドの中で、おそらく私がいちばん好きな場所にいる、いちばん好きな犬です。

そこはロック・ドゥーン(Lough Doon)と言って、北西部ドネゴール地方(Co. Donegal)の人里離れた隠れ家のような場所にある湖。
ロック・ドゥーンのこと、Roverのことは、過去に何度もこのブログに書こうとしたのですが、あまりにも大好きで、思い入れが強すぎて書けずにいました。
谷間にある湖で、小さな中島に、なんとケルト人が建てた2500年前の石の砦があるのです。

初めて連れて行ってもらったのは今から6年ほど前。岸からボートを漕いで行き、湖の曲がり角をまがった途端、古代の砦が目の前に浮かぶように現れたその瞬間のことは、今でも忘れられません。
まるで、ケルト人が言うところの「Another World(別世界)」を彷彿させるような光景で、感激のあまりボートの上で立ち上がってしまい、転げ落ちそうになってしまいました(笑)。

その湖のほとりにはマッキューさん(Mr. McHugh)さんという初老の男性と小さな犬が住んでいて、その犬がRover。
ボートを漕ぎだそうとすると必ずやってきて、まるで自らが水先案内人!と言わんばかりに、ボートの先頭か後ろにちょこんと座るのです。
砦のある島に着くと、慣れた仕草でぴょんとボートから飛び降りて、砦の入り口へと案内してくれるのですが、そのボートから飛び降りる姿がなんとも可愛らしくて…。
ボートの上でじゃれて遊んだり、砦の上を一緒に歩いたり、ピクニックをしているかたわらにいつの間にかやって来ていたり…。ロック・ドゥーンで起こるすべてのことには、いつもRoverが一緒でした。

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ボートを漕ぐときにはいつも一緒(2009年7月撮影)

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これが湖の中の砦、ドゥーン・フォート(Doon Fort)!(2009年7月撮影)

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カメラに向かって振り向いてくれたRover(2009年7月撮影)

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砦のそばでRoverとおしゃべり♪(2009年7月撮影)

かつては元気いっぱいで砦の上を駆け回っていたRoverですが、昨年あたりから足取りがゆっくりに。
そして今年の6月にロック・ドゥーンを訪れた時には、初めて、ボートに一緒に乗って来ませんでした。

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岸で見送ってくれたRover。以前だったら駆け下りてきて、ぴょんとボートに飛び乗っていたのに…。思えばこれがRoverに会った最期でした(2010年6月撮影)

ですから、近い将来、こんな日が来ることはうすうすわかっていたものの、それでもショックでした。
もうロック・ドゥーンへ行っても、どこからともなくRoverが駆け寄って来ることはないのです。
そう思うと、知らせてくれた友人からのテキストにも、しばらく返事を返すことが出来ませんでした。

これは私の思い過ごしかもしれませんが…。
ロック・ドゥーンへは何度も行きましたが、それでも過去6年の間、せいぜい年に2回ほど行くか行かないか…というくらい。
にもかかわらず、Roverは私のことをちゃんと覚えているんだ!…と確信する出来事があったんですね。
その時、相手は犬だけれども、なんだか心がちゃんと通じ合ったような、不思議な気がしたことを覚えています。

我が犬でもなく、そうしょっちゅう顔を合わせる犬でもないのに、いや、それだからなのか、もうあの湖へ行ってもRoverに会えない、そのことがただただ悲しくてたまりません。
Roverと二人暮らしだったマッキューさんが、どんな想いでおられるやら…と思うと、それも悲しい。

そういえば、初めてロック・ドゥーンを訪れた時の写真がどこかにあったはず…と、ふと思い立って探してみました。
デジカメではないのでお見せ出来ないのが残念ですが、ボートの後ろにすくっと立った横向きのRover。とっても若々しい感じです。
眺めていたら、さまざまな思い出がよみがえってきました。この写真をしばらくデスクに飾ることにしようと思います。

Roverの魂が安らかに眠りますように。R.I.P.

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(2009年7月撮影)




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コメント

Roverくん

水先案内人のRoverくん(ちゃん)、湖のある自然の中で亡くなったのでしょうね。
 いくつかの写真を見ていたら、犬だけど大きな存在感が伝わりました。 私もシープ・ドックを11年飼っていますが、いつか目の前から居なくなるかと思うと悲しいです。
直子さんの、その場所へ行けばいつでも迎えてくれていたRoverくんが、今はもう居ないという切ない気持ちがわかります。 きっと大きな青空から見守ってくれていると思います。 元気を出してくださいね。

風のよう

何も知らない私がコメントを書くなんて・・・
と迷ったのですが、
ナオコガイドさんが大切なお話をシェアしてくださって
とても心に響いたので書かせてください。
といっても、言葉が見つからないのが本音です。
強く、心をつかまれた感じです。

出会いと、
誰かと共に時間を過ごすこと。
それがいかに、かけがいのないものなかを
教えていただいた気がします。

Roverに会ったことはないけれど
ナオコガイドさんの日記から
Roverの存在感がつたわってきます。
そして、写真のRoverの姿は
まるで風のようにすがすがしく、
頼もしく、いさぎよい感じがします。

Roverの魂が安らかでありますように。

Yoshikoさん、ミネラルさん
温かいコメントをありがとうございます。お二人のコメント、とっても嬉しかったです。
そうですね、あの湖の風の中でRoverの魂は永遠になった…のだと思います。そう思えば、今度は逆にいつ行ってもRoverに会えるような気もしてきました。

その後、Roverの死がきっかけで、ある別の大事な人の死を知りました。
ショックだったと共に、不思議な連鎖に驚かずにはいられませんでした。まるでRoverが私に知らせに来てくれたかのよう…でした。
その方も風のようにさわやかな方だったので、Donegalの美しい自然の中できれいな魂になっておられることと思います。この場を借りて、ご冥福をお祈りさせていただきたいと思います。

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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