この春の公開時に見逃してしまったニール・ジョーダン(Neil Jordan)監督&コリン・ファレル(Colin Farrell)主演の映画、「Ondine(オンディーン)」。DVDが発売されたので、早速観てみました。

アイルランド南西部のベラ半島・キャッスルタウンベア(Castletownbere, Beara Peninsula, West Cork)にて撮影されました(写真は
こちらのサイトより)
コリン・ファレル扮する漁師が網を引いたら、魚ではなくて、美しい女性が吊り上ってきた…!という、ちょっとびっくりな始まり方をするこの物語(ロマンチックなシーンのはずなのでしょうが、コリン・ファレルが演じているせいか、なんだかコミカルでした…笑)。
海からやって来た謎の女性…と言ったら、アイルランドやスコットランドでは「セルキー(Selky)」の伝説が連想されます。
セルキーとはアザラシの姿をした妖精。毛皮を脱いで美しい人間の姿となって現れ、女性のセルキーは人間の男性と結婚するのですが、脱いだ毛皮を見つけるとまた海へ帰ってしまう…と言われています。
オンディーンと名乗る海から来たこの女性も、もしやセルキーなのでは?
…とのロマンチックな幻想を軸にして、人間の弱さや葛藤、子供の心、ミステリー、アイルランドの片田舎での出暮らし…など、いろいろな要素がちょっとずつ盛り込まれた、パワフルで素晴らしい作品でした。
撮影地となったベラ半島は、入り組んだ湾が折り重なるように連なる美しい場所。(過去ブログ参照:
ベラ半島の西端へ)
うっとりしてしまうほど美しい映像が次々と出てきます。

キャッスルタウンベアの港(
http://www.bearainfo.com/より)
映画が公開される頃、コリン・ファレルがTVのトークショーに出ているのを見たのですが、ダブリン出身の彼はコーク訛りを身につけるため、キャッスルタウンベアのパブに通っては地元の漁師さんたちが話しているのをこっそり録音し、iPodで毎日聞いていたそうです。
その成果が出ていたような、いなかったような…。やっぱりコリン・ファレルがコーク訛り…というのは、ちょっと違和感がありますね(笑)。
ちなみにコリン・ファレルと相手役のポーランド人の女優さんは、この撮影がきっかけで、実生活でもカップルに。
昨年秋には、二人の間に男の子が生まれています。
日本での公開は今のところ予定されていないようで、残念です。
アイルランドらしさ満載の素敵な作品でしたので、日本でも何らかの形でご覧いただけるようになるといいのですが…。
→【2020年12月追記】日本では『オンディーヌ 海辺の恋人』でDVD発売。アマゾンプライムでのオンライン視聴も可。
※オフィシャルサイト→
Ondine (Official site)
- 関連記事
-
コメント
Uisce
2010/09/01 URL 編集
naokoguide
もう1度見たいくらい、この映画、気に入ってしまいました♪
2010/09/02 URL 編集
Litsuco
『Ondine』観ました。
http://ameblo.jp/litsuco/day-20100809.html
とってもステキな映画でしたね。
わたしには、訛りが難しすぎましたが。
音大時代の友だちから知ったのですが
「Ondine」をテーマにした音楽もいろいろあるみたいです。
2010/09/16 URL 編集
naokoguide
そうそう、Stephen Reaがいい味出してましたね~。「木」 のふりごっこしてるのが、可笑しかったです(笑)。
数あるアイルランド映画の中でも、私の中ではかなり上位…かも。
2010/09/18 URL 編集
mii
2015/08/23 URL 編集
naokoguide
日本語字幕もあるんですね!また観たくなりました。
2015/09/03 URL 編集