
キリスト教の暦では、
イースター(復活祭)前の40日間は四旬節と呼ばれます。今年のイースターは4月16日なので、逆算して3月1日から、キリスト教世界ではすでに四旬節に入っています(日曜日はカウントされないので、実際には46日間)。
英語でレント(Lent)と呼ばれるこの期間は、イエス・キリストの復活を祝う準備期間として、伝統的には、食事を制約したり、派手な振る舞いを自粛する習慣がありました。
カトリックの国アイルランドでは、今でもプチ・レントを実践している人が多く、この時期になると、お酒をやめる、チョコレートを断つなどといった話をよく耳にします。
中世までのキリスト教世界では、レント期間中は肉食を断っていました。そのため、
レントに入る前にお肉をたらふく食べてどんちゃんやりましょう~ということで始まったのが、謝肉祭=カーニバルです。(ラテン語でcarne(=meat)+lavare(=wash)が「carnival」の語源。「肉を取り除く」という意味。)
やがて本来の宗教的な意味は置いてきぼりになり、
お祭り騒ぎの習慣だけが残るようになりました。リオ、ベネツィア、ニースなど、世界各地の有名なカーニバルがほぼ同時期に行われるのはこのためです。
さて、アイルランドやイギリスでは、カーニバルなんて派手なことはしない代わりに、
レントに突入する前日にパンケーキを食べましょう!という可愛らしい習慣があります。
この日はいつも火曜日となるので、アイルランドでは「
パンケーキの火曜日(Pancake Tuesday)」と呼ばれています。(正式には「ざんげの火曜日(Shrove Tuesday)」というのですが。)
今年は2月28日がパンケーキの日だったのですが、気が付いたらすっかり過ぎ去っていました…。それでも2週間遅れで、レモン&シュガーのパンケーキを堪能!
ちなみにこちらのパンケーキは、アメリカのように厚く焼くのではなく、クレープのような薄焼きで~す。
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