昨晩の悪夢のようなサッカーの対フランス戦から一夜明けて…。
今日のアイルランドは朝からずっと、新聞各紙、ラジオ、TVのニュース…どのメディアでも「アンリの手」のことで大騒ぎでした。

フランスのゴールを導いたアンリ選手のハンドボールの瞬間…(
RTESportのギャラリーより)
私も今日一日、新聞を読んだり、ニュースを見たりしていましたが…。
アンリ選手本人も自分がハンドしたと認めていること、フランス側もこの勝利を決して晴れやかな気持ちで受け取ってはいないこと、世界の世論はアイルランド・チームの健闘とフェアプレイをひたすらたたえる気持ちでいてくれること…などなどがわかり、昨晩よりはだいぶ気持ちが落ち着きました。
要するに、「審判は自分自身のパフォーマンスに傷をつけただけで、それによってアイルランド・チームの活躍に傷がつくことはない(アイルランドのダン選手の発言)」ということなんですよね。
夕方には、FAI(アイルランドサッカー協会)がアイルランドの法務大臣の申し立てを受けて、FIFAに正式に再試合を要求したことが報道されました。
現在ブリュッセルでEUサミットに出席中のカウエン首相も、フランスのサルコジ首相に直接この話をしたとのことです。(サルコジ首相は「我々が口出しすべきことではない」と言ったそうですが)
もはや取りざたされていることは、ワールドカップ出場うんぬんの話ではなく、もっと道徳的な問題。
フェアプレイとは何のか、さらにはサッカーという競技の品格そのものが問われているのです。
アハーン法務大臣が言うように、この試合結果がまかり通ってしまったら、人々は「ズルをすれば勝てるんだ~」と思うようになってしまうかもしれず、スポーツが本来伝えるべきメッセージが全く別のところへ行ってしまうことになるのです。
FAIのデラーニー会長は、「この試合は単なるリーグ戦ではない。世界が見ていた重要な試合だ。もしもFIFAがフェアプレイや品格を重んじるのであれば、(アイルランドの要求は)それを前進させるよいチャンスとなる」と言っています。
裏を返せば、もしもFIFAがこの要求を退けるのであれば、FIFAはフェアプレイに賛同していない、とも言えるわけです。
再試合となる可能性は低く、フランスサッカー協会の反応次第…と見積もられているようですが、アイルランドだけでなく、フランスも本当は公正な試合結果が欲しいはずですよね。
このままワールドカップに出ても、「ズルして出場権を得た」とずっと言われ続けることになり、選手もフランス国民も誇らしい気持ちはしないでしょうから。
- 関連記事
-
コメント
みゆき
NHKのキャスターも「明らかにハンドですよね!?」と
コメントしていましたが、その後は特にコメントなしでした。
再試合できるといいですね。
2009/11/20 URL 編集
naokoguide
日本でも報道され始めたみたいですね。
再試合がかなったら…それこそ「正義は勝つ」ですよね!
もはや出場権うんぬんより、選手もファンも、公正な試合結果が得られれば満足だと思います。
2009/11/20 URL 編集
Granna
もちろんわが家でもテレビ観戦、その後のうちのムードはお察ししただけると思います。
今朝のニュースでも、再試合は難しい状況と言っていました。
スポーツの世界もやはりお金がからんでいるので、すんなりとはいかないようですね。
それにしてもアンリ選手ってフェアプレーで有名な選手だけに、余計に残念な気持ちです。
大きなブックメーカーがアイルランドに賭けてた人たちに払い戻しをするとか・・・そういうアイリッシュの心意気いいね!
せめてフェアプレーとは何かを考える、いい機会になって欲しい。
2009/11/20 URL 編集
naokoguide
でないと、あまりにもやり切れません…!
2009/11/21 URL 編集